今さら聞けない【看護技術】

新人看護師さんが採血で一人前になるために必要な全知識をまとめたよ!

どうも、健診ナース9年目のみもです。

看護師になった最初の関門でもある「採血」。

早く一人前になりたいし、上手くできるようになりたいですよね。

そこでこの記事は、新人看護師さんが採血で一人前になるために必要な全知識をまとめました。

採血のコツは「慣れ」とよく言われますが、回数が少なくても上手くなることはできます。

ただ、それには「コツ」を知っておくことが大事!

ということで、採血が上手くなるコツを紹介していこうと思います。

先輩ナース
先輩ナース

新人看護師さん、ブランクある看護師さんはぜひ最後まで。

採血がもっと上手になりたい看護師さんは気になったポイントだけでもOKです。

ぜひ役立ててくださいね。

静脈採血のやり方は、全部で4パターン【メリット&デメリット】

まずは「基本のき」となるのですが、静脈採血の種類をご紹介します。

採血する方法は4通り↓

  1. 真空管+直針
  2. 真空管+翼状針
  3. シリンジ+直針
  4. シリンジ+翼状針
先輩ナース
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真空管採血とシリンジ採血の違い】と【翼状針と直針の違い】でわかり易く解説していますが、意外と使い分けが分かっていない人も多いです。

それぞれのメリット&デメリットについて詳しく解説していきます!

①真空管+直針

まずは真空管を使った方法

真空管で採血するメリット
  • 溶血しにくい
  • 連続採血、多量採血できる(MAX6本)
  • 分注による針刺しのリスクがない

多くの病院では真空管採血をしているはず。

ただし、直針を使って行っている人は少ないことでしょう。

というのも、直針で行うメリットってあまりないんです。

どちらかというとデメリットの方が大きいでしょう。

真空管+直針のデメリット
  • スピッツを入れ替えるときに固定がズレる
  • スピッツ入れ替え時に振動して痛みが生じる
  • 神経損傷などのトラブルが起きにくい
  • 逆血確認ができない
  • 血液逆流の危険がある
先輩ナース
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私が真空管+直針を使う条件は、

まっすぐ
太い
弾力ある
肘正中皮静脈

この4つの条件を満たしているときに、真空管+直針を使っています。

それ以外のときは次で紹介する真空管+翼状針です。

②真空管+翼状針

続いては、一番行われている真空管+翼状針の方法を解説します。

真空管+翼状針のメリット
  • 溶血しにくい
  • 連続採血、多量採血できる(MAX6本)
  • 分注による針刺しのリスクがない
  • 逆血確認ができる
  • 血液逆流のリスクが低い

ただし、万能って訳ではありません。

真空管+翼状針のデメリット
  • デットスペースが大きので量不足になることがある
  • スピッツ内の吸引圧が高く細い血管からの採血に向かない
  • 血液の逆流が起きることがある

穿刺部位からホルダーまでのチューブ部分がデットスペースです。

「凝固系スピッツ(黒)」は血液量にシビア

なぜなら、スピッツに入っているクエン酸Naと血液の混合比は1:9です。検体量が不足していると凝固時間は延長傾向になります

先輩ナース
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真空管採血+翼状針で採血するとき、1本めに凝固系スピッツを入れるとチューブ内の空気(約0.4ml)分の血液量が不足

黒のスピッツは2本目以降にしましょう。

スピッツの入れる順番が分からない人は【真空管とシリンジで1本めが違う!スピッツの入れる順番】をチェックしてくださいね。

あと、スピッツ内の吸引圧が高いので、細い血管だと引っぱられてぺちゃんこになってしまうことも。

さらに、血液が逆流してしまうこともあるので、

  • ホルダーからスピッツを抜いてから抜針する
  • アームダウンの姿勢で採血する

血液逆流の防止に効果的です。

③シリンジ+直針

ここからはシリンジ採血について解説していきますね。(※上写真ではピンク針ですが、通常は緑または黒です。)

シリンジ採血するメリット
  • 吸引圧が調節できる
  • 採血容器に制限がない
  • 血液逆流のリスクが低い
  • 逆血の確認が簡単

シリンジ採血するメリットはこんな感じです。

シリンジ+直針のデメリット
  • 吸引時に針先がズレる
  • 分注するときに針先事故のリスクが高い
  • 溶血しやすい
先輩ナース
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シリンジ採血するときって、

血管が細い
血管がブヨブヨして弾力がない
全量2mlのスピッツ1本だけの採血

こんな時だけなので、あえて直針を使う人はいません。

シリンジ採血する場合は、次で紹介する翼状針が大半!

④シリンジ+翼状針

シリンジ採血するのって、ほとんどが採血難の場合です。

シリンジ+翼状針のメリット
  • 吸引圧が調節できる
  • 採血容器に制限がない
  • 血液逆流のリスクが低い
  • 逆血の確認が簡単
  • 針が短いので穿刺、固定がしやすい

翼状針は扱いやすく固定もしやすいので、③シリンジ+直針に比べてデメリットは少ないです。

シリンジ+翼状針のデメリット
  • 溶血しやすい
  • 分注するときに針先事故のリスクが高い
先輩ナース
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静脈採血する場合、基本は「②真空管+翼状針」で行い、血管が細くて吸引圧でぺちゃんこになりそう…って時だけシリンジ+翼状針にすれば◎。

 

【新人看護師が知っておくべき】検査値が変動する要因

新人看護師さんが知っておくべき【検査値が変動する要因】を一覧にしました。

アセスメントする際に役立つので、ザーッと目を通しておきましょう↓

性別
  • 男>女:Hb、Ht、RBC、UN、CK、TG、γ-GT、血清鉄、クレアチニン、尿酸
  • 女>男:LH、FSH、HDL-C
年齢 閉経後高値:総コレステロール、TG、ALP
生活習慣
  • 飲酒:γ-GT、TG、AST、尿酸
  • 喫煙により高値:WBC、CRP、CEA、フィブリノーゲン
  • 喫煙により低値:HDL-C
日内変動
  • 午前中に高値:ACTH、コルチゾール、レニン活性、血清鉄
  • 昼間に高値:総蛋白、尿酸、カリウム
  • 深夜に高値:プロラクチン、GH、TSH
運動 運動後高値:CK、AST、LD、クレアチニン、WBC、乳酸
体位 立位で高値:総蛋白、アルブミン、カルシウム、アルドステロン
妊娠
  • 高値:ALP、凝固因子、甲状腺ホルモン、脂質、どう、赤沈、フィブリノゲン、CRP
  • 低値:総蛋白、アルブミン、Hb、RBC、血清鉄
食事
  • 高値:血糖、TG、インスリン、血清鉄、ALP
  • 低値:カリウム、遊離脂肪酸、無機リン
先輩ナース
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次の章では、採血の手順について紹介します。

真空管とシリンジのそれぞれのポイントも解説するので、ぜひ参考にしてくださいね。

 

採血の手順【シリンジ&真空管のやり方】

簡単に「採血の手順」をおさらいしましょう。

  1. 準備をする
  2. 適切な体位を取ってもらう
  3. 穿刺部位を決める
  4. 駆血帯を巻く
  5. 消毒する
  6. 穿刺する
  7. シリンジを引くor ホルダーにスピッツを挿し込む
  8. 駆血帯を外す
  9. 抜針する
  10. 採血後の処置
先輩ナース
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この順番に添って、シリンジと真空管で気をつけるべきポイント、コツを解説していきます。

①準備するもの

採血で使うものは以下の11点↓

  1. 手袋
  2. 採血枕
  3. 駆血帯
  4. 消毒綿
  5. 処置用シーツ
  6. 採血ホルダー
  7. スピッツ
  8. ブラッドバン
  9. 針捨て容器
  10. トレイ
先輩ナース
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準備するもので注意することは2つあります。

1つ目が「手袋」です。

採血時の血液暴露を防ぐものですが、大きめのサイズだと指先がブヨブヨして血管が探しにくくなります。

ピッタリサイズのものを用意しましょう。

もう1つが「針」です。

一般的に採血の針は21〜23G。

理由は知っていると思いますが一応解説しておくと、血球成分を壊さずにできる針の大きさです。

②適切な体位をとってもらう

入院中の患者さんの場合は臥床、採血室や検診のときは座位で行うことが多いと思います。

基本的に患者さんが楽な姿勢であれば問題ないのですが、注意することがあります。

それが血液の逆流です。

座位の場合は、アームダウンの姿勢にすれば◎。

アームダウンの姿勢とは?

穿刺部位を心臓よりも低い姿勢にすることです。(下イラスト参照)

心臓よりも低ければ血管が怒張するので、スピッツに入った血液が体内への逆流を防止できます。

臥床で行う場合は、アームダウンの姿勢は取れないので翼状針を使いましょう。

なぜなら、翼状針にはデットスペースがあるからです。

「②真空管+翼状針」でも言いましたが、穿刺部位からホルダーまでのチューブ部分は約0.4mlの血液が通っています。

もしも逆流してしまっても、このチューブ内の血液が戻るだけですぐにスピッツ内の血液が体内に入るのを防止

先輩ナース
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入院中の患者さん
採血で気分不良になったことがある人迷走神経反射

で臥床採血する場合は、翼状針で採血してくださいね。

③穿刺部位を決める

処置用シーツを敷き手袋を着用したら、穿刺部位を探しましょう。

穿刺部位を探すコツの前に、穿刺を避ける部位って覚えていますか?

覚えていない人は次のことをチェックしてから決めてくださいね↓

穿刺を避ける部位 理由
乳房切除を受けた腕(リンパ節郭清後) リンパ流うっ滞、蜂窩織炎を引き起こす
透析シャント部位 シャント血管は動脈血が混入しているため、血管圧が高く止血が困難
輸液の末梢側 輸液の成分が血液に混入して検査データに影響がある
麻痺側 血腫や神経損傷が起きても分からない。重症化することもある。
下肢の血管 血栓ができやすい
炎症や感染部位 感染が悪化したり、感染部から菌が血管内に入るリスクがある
先輩ナース
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穿刺部位を探すコツは、

①弾力がある
②太い
③まっすぐ
④表面に近い血管

この4つです。

よく行われているのが「肘正中皮静脈」「橈骨皮静脈」「尺骨皮静脈」です。

神経の走行に注意して穿刺しましょう。

先輩ナース
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神経損傷のリスクを考えて利き手とは反対の腕でなるべく採血した方が◎。

④駆血帯を巻く

穿刺予定部位の7〜10cm上のところで駆血帯を巻きましょう。

先輩ナース
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駆血帯を巻く強さが強いと、

静脈怒張がみられない
出血斑やしびれが生じる
偽性高カリウム血症を起こす

こんなリスクがあるので、ほどよい強さで巻こう!

駆血帯を巻くベストな強さについては【駆血帯の巻く強さ】で詳しく解説しているので、ぜひ読んでください。

※親指を中にいれてグッと握ってもらう理由も知りたい方は【こちら

⑤消毒する

消毒するときの注意点は2つ。

1つ目が、アルコール消毒でかぶれたり、赤くなったことないか確認しましょう。

もしアルコール消毒が禁忌であれば、0.2%クロルヘキシジングルコン酸塩消毒綿(ノンアルコール消毒綿)などを代用すればOK。

2つ目は消毒したあと完全に乾燥するまで待ってください!

先輩ナース
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乾燥していないと、十分な消毒効果が得られないだけなく溶血が生じる可能性があります

⑥穿刺する

穿刺部位の皮膚を軽く引っ張って、穿刺予定部位の1cm手前から血管の走行に合わせて15〜20°の角度で穿刺します。

逆血があってもまだ完全に血管内に針が入っていません。

針を少し寝かせて2〜3mmほど進めるのがコツ!

先輩ナース
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迷いが少しでもあると、採血では失敗します。(⇒採血に失敗したときの謝罪方法

また、針をゆっくり進めると翼状針でも痛みが強くなるので、スッと素早く穿刺するのが痛みを軽減できるコツです。

⑦シリンジを引くor ホルダーにスピッツを挿し込む

シリンジ採血と真空管採血では気をつけるポイントが異なるので、順番に説明していきますね。

スピッツの取り扱いに関しては、3章「採血スピッツの取り扱い」で詳しく解説します。

シリンジ採血の場合

シリンジ採血するとき、内筒をゆっくり引きましょう

なぜ早く引いたらダメなのでしょうか?

それは検査値に影響があるからです。

内筒を早く引いてしまうと溶血してしまい、カリウムやLDHなどの検査値が高くなります

ゆっくり引くのがポイントです。

また、採血量がトータル30ml必要なとき、用意するシリンジは30mlではなく10ml×3本または10ml+20mlを用意しましょう。

というのも、大きなシリンジを用いると強い陰圧がかかり、血管と針がぺちゃんこになって最悪 刺し直しになることもあります。

真空管採血の場合

あらかじめホルダーにスピッツをセットしておくとスムーズに採血ができます。

先輩ナース
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ここからは注意点です。

必要量の血液が溜まると自然に血液の流入がピタリと止まります。

ホルダーからスピッツを外し次のスピッツを入れたら、採取したスピッツをゆっくり転倒混和させてください。

転倒混和のやり方

血液と抗凝固剤や凝固促進剤などが完全に混ざり合うように、5回以上の転倒混和を行います

ただ、泡を立ててしまったり、激しく転倒混和してしまうと、溶血の恐れがあります。

こんな風に手首を軸にぐるりと回す方法がおすすめ!

先輩ナース
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スピッツの本数が増えるに従い、ホルダー内のゴムスリーブから血液が漏れることがあります

原則6本までとなっていますが、3本ほどでも漏れてきたことあり。(経験談)

交換時にゆっくり入れるようにしましょう。

⑧駆血帯を外す

必要量が採れたら握ってもらっていた手を開いてから駆血帯を外します。

先輩ナース
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駆血帯を外さずに抜針した場合、うっ滞した血液が穿刺部位から噴き出してしまうことも。

血腫の原因にもなるので抜針する前に駆血帯を外しましょう。

また、真空管採血の場合、ホルダーにスピッツが入ったまま駆血帯を外すと、スピッツ内の血液が体内へ逆流します。

ホルダーからスピッツを抜く⇒駆血帯を外す⇒抜針。

この一連の流れは必ず覚えておこう!

⑨抜針する

抜針と同時に圧迫をします。

翼状針の場合、針刺し防止のためスライドさせて針を収納できるもの、またはカバーをつけるものがあります。

スライドさせるタイプの場合、患者さんの皮膚を巻き込みやすいので少し浮かせるのがポイントです。

直針の場合は、針ボックスに入れる際、慌てずに入れましょう。

先輩ナース
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消毒液がビショビショだと血管が拡張したり、血小板凝集を阻害したりすることもあるので、消毒薬は軽く絞ったものを使いましょう

シリンジ採血のときだけ!スピッツ管に分注する

真空管採血では不要です。

採血で使った針を外し18〜22G針をつけて、下写真のように分注する。


引用:感染制御部

スピッツを持って分注すると針刺し事故のリスクが高くなるので、必ずスピッツ立てに立ててから分注しましょう。

先輩ナース
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分注する際、自然吸引に任せてゆっくり分注するのがポイントです!

ムリに押し込むと溶血する原因になるので、スピッツ内の吸引圧にまかせてOK。

また、ムリに押し込むと稀に血液が噴き出すことがあるので注意してくださいね。

抜去した針はリキャップしないこと。

血液は穿刺後、どんどん凝固していっているので速やかに分注しましょう。

分注ホルダー(下写真)があれば、針刺し事故のリスクがないので病棟にあるかどうか確認しておいたほうが◎↓


引用:テルモ

※シリンジ採血時のスピッツの入れる順番は後ほど説明します。

⑩採血後の処置

止血テープを貼り、5〜10分圧迫してもらいましょう。(止血ベルトなどでもOK)

先輩ナース
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このときに揉んでしまうと、止血を阻害して、皮下出血する恐れあり。(⇒血腫が原因の神経損傷

揉まずに圧迫してもらうよう伝えてくださいね。

 

採血スピッツの取り扱い【注意事項】

この章では、看護師さんが採血スピッツの取り扱いで知っておくべきことをまとめました。

以下の順番で説明していきます。

スピッツの取り扱いで知っておきたいこと
  1. スピッツの色
  2. スピッツに入れる順番
  3. スピッツの必要量
  4. スピッツの転倒混和のやり方

①スピッツの色

スピッツ管は、赤やグレー、紫などカラフルな色。

病院や施設によって違う場合もありますが、だいたい同じです。

というのも、「検査の項目」がひと目でパッと分かるようにJIS規格で色が決められているからです。

一般的なスピッツはこちら↓

血算(CBC):赤血球・白血球・血小板など
グレー 血糖:血糖、HbA1c
凝固
赤茶色 血清:生化学など

②スピッツに入れる順番

スピッツを入れる順番は「シリンジ採血」と「真空管採血」では異なります。

理由を考えて覚えると覚えやすいですよ。

シリンジ採血の場合

  1. 凝固(黒)
  2. 血算(紫)
  3. 血糖(グレー)
  4. 生化学(赤茶)
先輩ナース
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シリンジで採血のとき、一番最初に黒色のスピッツ(凝固)を入れましょう

なぜなら、凝固してしまうと正しい凝固時間を測定できなくなるからです。

スピッツの中には抗凝固剤が入っていて、速やかに注入して混和する必要があります。

真空管採血の場合

  1. 生化学(赤茶)
  2. 凝固(黒)
  3. 血算(紫)
  4. 血糖(グレー)
先輩ナース
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真空管採血では、最初に黒スピッツ(凝固)から採ってはダメです。

理由は2つあります。

1つ目は最初の血液には、穿刺したときの組織や組織液などが混入して凝固が促進されるの正しく判定できません。

もう1つの理由が、翼状針のデットスペースです。

凝固スピッツの中にはクエン酸Naが入っていて、血液量が不足すると正しい検査結果にはなりません。

1本めに黒スピッツを選ぶとチューブ内の約0.4ml分の血液量不足になる訳です。

だから、2本目以降で採るようにしましょう。

もっと詳しく知りたい方は【スピッツの順番】も参考にしてくださいね。

③主なスピッツの必要量

血算(紫) 2ml
血糖(グレー) 2ml
凝固(黒) 1.8ml
生化学(赤茶) 3〜5ml
先輩ナース
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少なすぎても多すぎても検査データに影響します。

真空管採血では、通常よりも少なめになりやすいです。

一方、シリンジ採血では分注時に少なくなったり、多すぎたりするので注意しましょう。

④スピッツの転倒混和のやり方

2章「採血の手順」でも言いましたが、大事なことなでもおさらいしておきますね。

転倒混和は5回以上行いましょう。

ちなみに各スピッツに入っている凝固剤はこちら↓

血算(紫) EDTA-2K(白い粉)
血糖(グレー) フッ化ナトリウム(白い粉)
凝固(黒) クエン酸ナトリウム(透明な液体)
生化学(赤茶) ヘパリンリチウム(フィルム)

しっかり転倒混和をしようと思って、泡を立ててしまったり、激しく転倒混和してしまうと、溶血の恐れがあり!

私は上イラストのように、手首を軸にぐるりと回して混和しています。

\こんなスピッツに関する悩みもある!/

スピッツが…!!真空管採血しているときに地味に困ることこんにちは、みもです。 実は真空管採血するとき、地味に困ることがあります。 それがスピッツの交換です。 採血の手順や注...

 

採血で「溶血」が生じる原因

悩む看護師
悩む看護師
あの〜。

溶血ってなんですか?

先輩ナース
先輩ナース

溶血とは、何らかの原因で赤血球が壊れて、ヘモグロビンと血症が混ざってしまった状態です。

溶血していても検査はできますが、項目によっては影響を受ける場合も。

溶血した場合、影響受けてしまう検査項目

実際の値よりも高くなる項目
  • カリウム(K)⇒22.7倍
  • LDH⇒200倍
  • AST(GOT)⇒80倍
  • ALT(GPT)⇒15倍
  • アルドラーゼ
  • 鉄(Fe)⇒97倍
  • NSE
  • 葉酸

血清中より細胞の中に多く含まれているので高値になります。

実際の値よりも低くなる項目
  • BNP
  • インスリン

赤血球から漏出した蛋白分解酵素により分解されるため低値になります。

溶血が生じる原因

  • 駆血帯の巻く時間が長くなった⇒(2分以内で行う)
  • 23Gより細い針を使用した⇒(21〜23Gで採血する)
  • 転倒混和で泡を立てた⇒(手首を使ってぐるりと回す)
  • シリンジ採血時、内筒を強く引きすぎた⇒(軽く引っ張る)
  • 分注する際、注射器に残った泡部分も押し込んだ⇒(押し込まない)
先輩ナース
先輩ナース

溶血は病気ではなく採血の手技によるもの。

溶血を起こさないように上記のことを守りましょう!

 

採血中、採血後の患者さんの異変が起きたときの対処法

ここからは、患者さんの異変に対する注意事項です。

採血トラブルでよくあるのが以下のこと。

  1. 迷走神経反射
  2. 神経損傷
  3. 採血失敗に対するクレーム

①迷走神経反射

悩む看護師
悩む看護師
迷走神経反射って何?
先輩ナース
先輩ナース
迷走神経反射とは、迷走神経の興奮で末梢の血管が拡張します。

それに伴い血圧が低下して、脳に十分な血液が送れなくなり、顔面蒼白になったり、冷や汗、意識消失…などを患者さんが起こすことです。

今までに採血で倒れたことがある場合は、座位ではなく臥床で採血すれば予防できます

ただ今までの採血でなったことない人も起こす可能性があります。

そのときは速やかに応援を呼び、側臥位して寝かせ、血圧低下があれば下肢を挙上すればOK

採血で気分不良になったときの対処法】ではもっと詳しい対処方法(6ステップ)を紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

②神経損傷

採血中のしびれ対応は甘く見ていると危険です。

というのも、裁判になったケースもあります。

賠償保険に入っていても精神的ストレスになるので、採血中のしびれ対応は覚えておいたほうが◎。

穿刺したあとにしびれがあると言われた場合は、

  1. 速やかに抜針する
  2. 穿刺部位の観察
  3. 抜針後の痛みを確認

この3ステップを心がければOKです。

絶対にやったらNGな対処方法は【看護師が訴えられないためのしびれ対処方法】をチェックしましょう。

③採血失敗に対するクレーム

百発百中で採血できる!

そんな人はこの世の中には存在しません。

凄い神技を持っているベテラン看護師、検査技師、ドクターでも失敗してしまうことがあります。

採血で失敗したときに、対応を間違うと大クレームにつながるので、謝り方は知っておいた方が◎。

といっても簡単なこと。

言い訳せずに素直に謝るだけでOKなんですが、意外とできない人が多いんです。

⇒【謝り方で挽回できる!採血失敗の対応方法

 

新人看護師さんのよくある採血の疑問&質問【Q&A】

Q1.スピッツを交換している間に固定が甘くなるのはなぜ?

穿刺が浅いことが考えられます。

逆血確認後、針を少し寝かせ2〜3mm進めるのがポイントです。

この方法を行えば血管を突き刺すことないはず。

Q2.採血と一緒に血糖測定したい

採血と同時にBS測定する方法は【こちら】の記事で紹介しています。

ただし、測定する前に確認してほしいことがあるんです。

指先(毛細血管)と腕(静脈血)では測定値が異なるのは知っていますか?

毛細血管はブドウ糖が組織に運ばれているときの血液ですが、静脈血はブドウ糖が消費された後の血液です。

採血と同時に血糖測定した場合、髙値に出てしまうので実施していない病院も少なくありません。

リーダーや先輩に一緒に測定しても良いのか必ず確認しましょう。

Q3.輸液中、ルートキープされている腕で採血ってダメなの?

原則的に、点滴確保部より末梢側であれば採血可能です。

点滴実施部より末梢側で15cm離した状態での採血ではデータに変化はないという実証研究もあります。

ただ、頑なにダメという先輩もいるので、そのときは反発せずに別の場所で行う+上司に相談しましょう。

Q4.直針と翼状針の使い分け

  1. まっすぐ
  2. 太い
  3. 弾力ある
  4. 肘正中皮静脈(表面に近い)

こんな人の場合は、直針でも実施可能です。

しかし、最近は痛みの軽減や神経損傷の対策として翼状針を推奨する病院も増えてきています

コスト面では直針のほうが安いですが、患者さんにとっては翼状針の方がメリットが高いと言えるでしょう。

Q5.血管が逃げてしまう…。どうすればいい?

血管が逃げるのは、穿刺前の引っ張り(進展)が甘いことです。

表面上に出ているぽっこり出ている血管、高齢者の血管はゴリゴリ動きます。

しっかり固定すれば良いのですが、引っ張ると血管が見えなくなるので、消毒する前にボールペンやサインペンでチョンと目印を付けて行えば失敗しないはずです。

Q6.駆血帯を巻く時間で気をつけることは?

駆血時間が長いと検査値に影響が出ます。

1分を超えると血液凝固が起こりやすくなるので、1分以内に終わるようにしましょう。

Q7.採血の痛みを軽減する方法ってある?

あります。

まず採血部位でのコツは、末梢に行くほど痛点が多く穿刺時の疼痛が強くでます

また、ゆっくり穿刺すると痛みを感じやすいので、スッと素早く穿刺するのもコツ!

上手い人は、短時間でササッと採血しています。

Q8.採血の途中でポタポタと血液量が減ってしまう理由は?

原因は3つあります。

  1. 真空管の圧が抜けている
  2. 指先が血管壁に当たっている
  3. 脱水

詳しい解説は【逆血があるのに採血管に入らないとき】を参照してください。

Q9.採血が上手くなるコツを教えてほしい!

一般的に「慣れ」と言われることが多いですね。

確かに場数はとても大事ですが、良い血管を探すのが上達する一番のコツだと思います。

良い血管を見つける5つの方法とNGな方法は【親指を中に入れる理由】で分かり易く解説中!

あと、良い血管を見つけたらしっかり固定してシュッと素早く穿刺しましょう。

Q10.手袋を装着するベストなタイミングは?

手袋ありでの血管探しは指先の感覚を鈍らせます。

そんなときは血管を探す方の手だけ直前に装着してもOK。(結構そういう人は多いです。)

ちなみに私の場合、駆血帯を巻く⇒血管を探す⇒アルコール消毒⇒手袋を装着⇒針の準備⇒穿刺という流れで行っています。

Q11.駆血帯を外し忘れて抜針したらどうなりますか?

血腫になる場合があります、

しかし、スピーディーに対処すれば防ぐことができます。

詳しい対処方法は⇒【血腫にさせない方法】を参考にしてください。

Q12.採血の穿刺部位が内出血してしまった原因は何ですか?

血管を抜き破ってしまったり、探ってしまうと内出血しやすくなります。

また、採血後の止血時間が短いと内出血する場合もあります。

なるべく血管は探らない、穿刺部位は5分以上圧迫するように気をつければ◎。

内出血の対応については⇒【こちら】の記事を参考にしましょう。

 

最後に…

以上、採血するにあたり知っておきたい全知識を紹介しました。

ただ、これを読んでもこんなときは…と疑問に思った方がいれば、【質問&リクエスト】や【Twitter】から質問してもらえると嬉しいです。

「この看護技術のコツは?」「こんなときはどうしたらいい?」などの気軽に聞いてくださいね。

この記事は「看護がみえる②」を参考に書いています。

採血や注射、輸液、吸引、排泄ケアなど、看護師1年目でマスターしたい看護技術に特化した本です。

イラスト&写真付きでわかり易く、しっかり予習&復習したい方におすすめ!

採血については5〜19ページに掲載。