はじめまして。
健診ナースのみも(@Nurse3Info)と申します。
看護師にとって採血は身近な看護スキル。
だからこそ、知ってて当然な流れがありますよね。
そこで今回は、今さら聞けない!シリンジ採血と真空管採血の違いをまとめました。
実はよく分かっていなかった(スピッツの順番)…とならないためにも、必ずチェックしてくださいね。
最後まで読めば、「違〜うッ!」や「もういい!」と先輩に怒られる心配はなし。
この記事は、看護師歴14年という経験だけでなく、「看護技術本」を元にまとめています。
シリンジ採血と真空管採血の違いは、たった1つ
今は真空管採血が主流になりましたね。
ただブランクがある看護師さんは、真空管採血をしたコトない人も。また、新人ナースの場合はシリンジ採血をする機会が減りました。
看護師さん達は普通にこなしている業務なので、今さら詳しく聞くこともできず、悶々としている看護師さんもいるはず。
ですが、違いと言っても手技は同じです。
- 駆血帯をする
- アルコール消毒し、穿刺する
- シリンジを引くorスピッツを入れ替える
- 駆血帯を外し、抜針する
- スピッツに分注する(シリンジ採血の時だけ)
シリンジ採血と真空管採血の大きな違いといえば、血液の分注方法が違うだけです。
シリンジ採血の場合は、自分でスピッツに分注。一方、真空管は直接スピッツ(真空管)に入れる方法です。
入れる順番を間違えると「違う!もういい!!」と先輩ナース言われるので、しっかり覚えましょう。
シリンジ採血と真空管採血の違い【スピッツに入れる順番】
スピッツの入れる順番ですが、シリンジ採血と真空管採血の大きな違いは、最初に入れるスピッツです。
あとの流れは同じなので、最初の1本目は意識して分けましょう。
シリンジ採血でスピッツを入れる順番
- 凝固
- 赤沈
- 血清
- 血糖
- 生化
真空管採血でスピッツを入れる順番
- 生化
- 凝固
- 赤沈
- 血清
- 血糖
どうして1本目が違うの?
採血の時に「凝固系から入れろ!」と習いましたよね。
でも、真空管採血では違います。
その理由は、直接スピッツに血液が入るコト。
穿刺した時に組織液が混入するので、スピッツ内で凝固の原因になることがあります。
だから、1本目は凝固しても問題ないスピッツ。つまり生化スピッツです。
あとは、凝固すると困る順番に入れればOK!
黒キャップの凝固系スピッツの入れるときの注意点
シリンジ採血なら1本目。
真空管採血なら2本目に採るスピッツです。
注意点って何?
取る順番じゃないよね?
それとも採ったあと、しっかり混ぜるとか?
その2つも大事ですが、まだ大事なことがあります。
多くの看護師が失敗してきたのが…採血量です。
必要な量は2cc。
多すぎても少なすぎても検査結果に影響します。
引用:検査のパレット
と安心してはダメです。
圧が弱くなってスピッツに記載しているラインまで入らないケースも。
しっかりラインまで採れたかチェックし、しっかり混和するのも忘れないで下さいね。
もっと詳しいスピッツの順番
私はいま健診クリニックで働いているので、採血で使うスピッツは主に上の5本です。
でも、病棟で働いているともう少し本数は多いですよね。
ということでシリンジ採血と真空管採血のスピッツの順番を分かりやすく写真にしました
【シリンジ採血】のもっと詳しいスピッツの入れる順番↓

【真空管採血】のもっと詳しいスピッツの入れる順番↓

ヘパリン、その他が病棟で働いていると出てくるはず。
先程も言いましたが、最初の一本目が違うだけで、あとは同じです。間違えないように入れるために、覚えてくださいね。
本数が少ないと覚えるのも簡単ですが、
病棟の場合は本数が多くて覚えられないですよね。
みんなどうやって覚えているんだろう…と疑問に思うはず。
わたしはスピッツの色で覚えていましたよ!
色鉛筆で順番を書いたメモ帳をポケット入れて常備。
困ったときにこっそり見て対応していました。
「溶血」を防ぐための注意点
どんなに細い血管の人の採血ができても、採血結果に「溶血」と書かれていたら、採血のやり直しもあります。
そもそも「溶血」とは…何らかの原因で血液中の赤血球が破裂。ヘモグロビンと血漿が混ざってしまった状態です。
正確なデーターを出すためにも、溶血は起こさないように採血をしましょう。
真空管採血でもシリンジ採血でも両方起こりえます。ですが、シリンジ採血の方が注意点が多いです。
それぞれのポイントをまとめました。
シリンジ採血で溶血を防ぐポイント5つ
- 23G以上の太い針を使用
- 内筒を強く引きすぎない
- 規定量の血液を入れる
- スピッツの壁に沿って流すように入れる
- スピッツを強く振りすぎない(泡を立てない)
シリンジ採血の場合、血管が細い人が対象になることがほとんど。
だから、ついついシリンジの内筒を強く引きがち。
細い針と、血管が細いのでなかなか思うように引けませんが、強く引くと溶血の原因になるので注意しましょう。
真空管採血で溶血を防ぐポイント3つ
- 23G以上の太い針を使用
- 規定量の血液を入れる
- スピッツを強く振りすぎない(泡を立てない)
真空管の場合は、規定量の血液よりも少なくなることです。
それぞれのスピッツに陰圧があるので、ホルダーにスピッツを差し込めば自然に血液が流れます。
ですが、血球や血糖は1〜2ccなので、陰圧が弱いです。
生化のように勢いが無いので、しっかり規定量が取れているのかチェックしてから外しましょう。
最後に…
シリンジ採血と真空管採血の違いは、何となくイメージできたはず。
採血のやり方は同じです。
大きな違いは、スピッツの1本目に採るスピッツが異なるコト。
シリンジの場合は凝固系で、真空管採血の場合は生化です。
あとは血球→血糖→生化の順番でOK。
あとは溶血を起こさずに無事に採血ができるように気をつけましょう。
これでもう胸を張ってシリンジ採血と真空管採血の違いが言えますね。先輩ナースにツッコまれても安心です!
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