どうも、こんにちは、看護師のみもです。
血管が逃げる患者さんの採血やルート確保がうまくいかない。
逃げる血管が苦手…。
と悩む看護師さんは多いですよね。
私の経験上、「逃げる血管」で採血するときこそ、固定方法がめちゃくちゃ大事だと思うんです。
固定のコツさえマスターしておけば…
採血が病棟一上手な主任しか成功しない血管でも一発で成功できるでしょう。
「看護師」として、あなたを見る目がガラリと変わります。
これ、知っているか知らないかで採血の成功率に大きな差が出てしまうので、必ずチェックしてください。
逃げる血管はちょっとしたコツで固定するだけで、グサリと血管に穿刺できるようになので。
そこで今回は、
中堅ナースも苦手な「逃げる血管」のときに使える固定方法のコツを伝授したいと思います。
ちなみに・・・
当ブログ「中堅ナースの日常」で紹介する記事は、正確な情報を届けるをモットーにしているため、参考文献をもとに記載。
この記事もしっかり参考文献を見て書いています。
参考文献については【こちら】を参照してください。
地味に困る「看護技術」ランキングTOP3
採血やルート確保時に、血管が逃げるのはなぜ?【原因は2つあります】
ここからは、中堅ナースの日常キャラクターの1年目ナース「杏ちゃん」と7年目ナース「亜子先輩」と一緒にわかりやすい解説をしていきます。
まぁまぁ太くて、しっかりした血管だったのに、
針を近づけると血管がスルリと逃げてしまい入らなかった…。
ずばり…
血管が逃げる原因は2つ!
原因①皮膚と血管の密着ぐあい
皮膚と血管の密着ぐあいは個人差があります。
逃げる血管の特徴でよく言われるのが「皮膚のたるみ」。
イメージしやすいのが、
高齢やガリガリに痩せた患者さんを採血するときです。
思い出してみてください。
高齢かつガリガリな患者さんほど脂肪や筋肉が少なく皮だけ。
もし皮膚をつまんだらビヨ〜ンと伸びるくらい皮膚がたるんでいませんか?
…で、ここで重要なのは、
高齢者やガリガリに痩せた患者さんだけが血管が逃げるワケではないってことです。
というのも、
そもそも血管は皮膚と密着しているとは限りません。
そのことが、わかりやすい例が「手背」です。
痩せている人でも、
ぽっちゃり体型の人でも、
手背の血管は左右に動きやすいですよね。
というのも、それは関節に近いことが原因です。
関節を曲げたときに、パツパツな状態にならないように皮膚も血管も「余裕」があります。
とはいえ、
体型や関節周りに関係なく、皮膚と血管の密着ぐあいには個人差があるもの。
見た目に騙されないように、しっかり目と指先で動かないかチェックしましょう!
原因②血管が硬くなっている
血管が硬いときも、針を近づけるとスルリと逃げます。
その状況に近いのが、サラダのミニトマトです。
カットされずに入っている場合、
フォークで刺そうとしても、まーるいミニトマトはスルッ逃げて、仕方なくもう片方の手で押さえて刺して食べた。
フォークは諦めて手で食べた。
そんな経験ありませんか?
トマトの皮が分厚く硬いものほど、フォークで刺すことが難しくなります。
さらに、
さきほどお伝えした原因①「皮膚と血管の密着ぐあい」も関係し、鋭い針先であっても硬い血管はスルリと逃げやすくなります。
とはいえ、
あなたも知っているとおり、すべての人が「硬い血管」というワケではないですよね?
要するに、
血管が硬くなる人を事前に分かっていれば怖くないってことです。
…で、
一般的に血管が硬くなる原因は、
- 加齢
- 動脈硬化
- 抗がん剤治療
と言われています。
ただ…
血管の硬さは、パッと見では判断できません。
必ず目と指先で「血管の状況」を確認してから穿刺部位を決めましょう!
血管が逃げる人の採血のコツは、「固定方法」にあり!
では、ここからは実践編として「逃げる血管の固定方法」について詳しく解説していきます。
具体的な固定方法のコツを紹介する前に、あなたに一つお願いがあります。
自分のことをハンターと思って穿刺してください。
「何言ってるの?」と思った方もいるかもしれませんが、大マジメですよ。
ハンターといっても猟をする人だけでなく、
HUNTER×HUNTERのヒソカでもいいし、
以前紹介した退職の引き止めをする看護師長でもいいし。
とにかく自分のことをハンターと思うことが大事なのです。
一流のハンターと。
要するに、
みんなが苦戦する逃げる血管で採血を成功させるには、「どんな血管も逃さない」くらいの強い気持ちが必要ってこと。
その強い気持ちがあってこそ、「固定方法」について話せます。
というのも、
血管の固定方法と聞いてまずあなたが思いついたのって、
一番ポピュラーな方法じゃないですか?
その固定方法とは、
血管の走行に対して真下に引っ張る方法
です。
イメージとしては、
たるんでいる紐をピンとまっすぐ伸ばす感じ。
もちろん逃げる血管にも有効です。
しかし、採血が上手な人はこの固定方法はあまり使っていません。
基本中の基本ではあるものの、
逃げる血管を確実に押さえる力はないってことですね。
え…?
じゃあ、採血が上手な人たちは、どんな方法で固定しているの?
採血が上手な看護師の逃げる血管に有効な「固定方法」
看護師歴30年以上、
みんながムリと言った血管でもサクッと採血をこなしてきたベテラン看護師に固定のコツを聞きました。
その固定方法は2つあります。
コツ1:逃げる血管は「3方向」から引っ張る
先ほど逃げる血管の一般的な固定は、真下に引っ張る方法です。
ですが、採血が上手な人は「3方向」から引っ張ります。
というのも、
よーく考えれば分かることなんですが、
真下に引っ張ったとしても左右に逃げることができますよね?
採血が上手な人は血管を引っ張る際、
真下、左右の3方向からしっかり引っ張り、逃げる隙を与えません。
ただ、3方向から血管を引っ張れば、浮き出ていた血管が見えずらくなります。
穿刺部位を覚えておかないと、そもそも血管に入らないという落とし穴にハマる可能性があるのです。
慣れないうちは、
マッキー(マーカー)でチョンと印を付けておく、ほくろやシミを利用して目印にするなど、ちょっとした工夫が必要ですね。
ちなみに、印を付けたときにうっかり制服にマッキーがつくことも…。
そんなときは、以下の記事「落としにくい油性ペンをキレイに落とす方法」を参考にすれば、後悔することはないはずです↓
コツ2:血管の両サイドを固定する
もう1つの逃げる血管の固定方法は、
血管の両サイドを挟み固定する方法
です。
といっても、
「どういうこと?」と思った方もいると思うので、イメージしやすいようにイラストに書いてみました。
それがこれ↓
針を持った反対の手の第2指と第3指で血管を固定します。
血管の動きを封じる方法で、逃げると思わなかった血管のときにも有効。
ただ、
ポジション(立ち位置)や血管の走行によっては難しい場合もあるので、クレームの原因になるので無理強いは禁物です。
ちなみに、採血失敗で患者さんが怒るのは、下手だからではありません。
対応でしくじっているからです。
採血やルート確保で失敗して、
患者さんに怒られた、イラッとされたという方は、以下の記事をチェックしておいて損はないでしょう↓
最後に…
長々と「逃げる血管の固定方法」について解説してきましたが、私が本当に言いたかったことは、固定方法ではありません。
「逃げる血管」を克服したいのなら、
「逃げる血管を選ばない」ということが超重要
とあなたに伝えたかったのです。
というのも、
私が今までに出会った採血やルート確保が上手な看護師はみんな、血管を探すのが上手。
しかも短時間でササッと見つけることができる人たちです。
…で、
本文中にあなたにお願いしたことは覚えていますか?
私はあなたに、
「自分のことをハンターと思って」とお願いしました。
一流のハンターは命中率の高さだけではありませんよね。
探すのも上手だから一流のハンターなのです。
要するに、一流のハンター=採血が上手な看護師になるには、「血管探し」こそが大事!
とはいえ、
血管を探した結果、「逃げる血管」しかない場合もあるので、固定方法はバッチリ押さえておいて損はありません。
ぜひとも今回紹介した固定方法はマスターしておきましょう。
最高の血管を探すコツ
どの血管を選ぶかで、採血の成功率は大幅に変わります。
刺す前に、一番いい状態の血管を探すことが最大のポイントです。
と分かっていても、それが難しいですよね。
ちなみに、採血が下手な看護師さんがしがちな失敗がこれ↓
ドキッとした方は、
もしかしたら「駆血帯」が原因で良い血管が探せていないのかもしれません。
今後の血管探しに影響する大事なポイントなので、必ず目を通しておいたほうがいいですね。