明日から使える看護技術

採血時にしびれ?看護師が神経損傷で訴えられないための予防策&対処法

どうも、こんにちは。看護師のみもです。

今回のテーマは「採血時のしびれ」。

愛知県看護協会によると、約1万〜10万回の穿刺に1回起こるとされます。

ただ、最近は医療訴訟が増えていて、1990年代は352件だったのが、10年後の2000年には767件と倍増。(引用:医療安全推進者ネットワーク

2倍のペースで増えているのは、マスコミ報道やインターネットの普及などで情報が入りやすくなっているからです。

神経損傷を起こすのは採血だけでなく、ルート確保皮下注射、皮内注射、筋肉注射といった針を使う看護技術全般で起こる可能性があります。

つまり、神経損傷を起こす頻度は少なくても、訴えられる可能性が高いってことです。

いざというときに、自分を守るためにも予防法と正しい対処法を身につけておきましょう。

神経損傷で訴えられた事例から分かる看護師のNG行動

神経損傷に対する裁判事例をザーッと挙げただけでも8件もあり、そのうち看護師に該当するのは3件。

引用:熊本県保険医協会

訴えられた看護師にはある共通点があります。

2つのNG行動を行っていまったが故、訴えられた可能性があるのです。

その行動とは、

  • 穿刺時の患者さんへの対応
  • 神経走行に配慮した適切な部位での穿刺

この2つです。

裏を返せば、ちゃんと対応できていれば訴えられることはないってことですね。

 

「神経損傷?」と思ったら…。看護師ができる初期対応

先ほど紹介した事例の看護師たちは、
穿刺後、異常を感じた患者の訴えを軽視していました。

私は今、健診クリニックで働いていて毎日何十人の採血をしていますが、痛がりの患者さんも多く、なかには過剰に痛みを訴える人もいます。

しっかり逆血もあり穿刺部位の腫れがなければ、オーバーリアクションと勘違いしてしまうのも仕方ないのかもしれません。

ですが、私がもしオーバーリアクションの患者さんに当たった場合、それだけでは判断しませんね。

というか、できないので、必ず次のことを確認します。

それは、
どんな痛みなのか?
をより具体的に患者さんに確認します。

なぜかというと、
初めてのことってよく分からないからです。

例えば、足を骨折したときの痛みってどんなの?

盲腸の痛みってどんなの?

実際に経験したことがあれば、こういう痛みで…と説明できると思います。

先輩に患者さんの症状を言ったら、もしかしたらアレかも!と気づくのも、どんな症状があるのか把握しているからです。

しかし、採血をあまりしないような人では、採血による痛みなのか、それとも違う痛みなのかなんて判断するのは難しいでしょう。

もし患者さんが痛みを強く訴えたら、どんな痛みやしびれなのか詳しく聞いてください。

ピリッとした痛みや、指先にかけてしびれがあるなどの場合は、針先が神経に触れた可能性があります。

すばやく抜針しましょう。

抜針後は速やかに先輩やドクターに報告

抜針後に穿刺部位を観察し、膨張や発赤、抜針後の痛みの軽減の有無も合わせて確認しておきましょう。

…で、問題なければ終わりとはいきません。

自分ひとりでの判断は危険ですし、なによりも今一番重視したいのは患者さんの不安を軽減することです。

真摯に対応してもらえてるということが安心につながるため、速やかに先輩看護師やドクターに報告しましょう。

亜子先輩
亜子先輩

ここまでが神経損傷かも…!と思ったときの対処法です。

では、次は神経損傷を起こさないために看護師ができる予防法を見ていきましょう。

 

どこで採血する?避けたほうがいい部位とは?

神経損傷を起こさないためには、
まずは神経の走行についてしっかり学びましょう。

ザーッと殴り書いたイラストで申し訳ないのですが・・・

もう少しリアルなイラストが見たい方は、
以前、新人看護師さんにおすすめした看護技術本「看護がみえる②」の9ページのイラストがわかりやすいですよ。

手元にないという方は、以下のイラストで我慢してください。

上のイラストではよくわからないかもしれませんが、
神経は大きな静脈に並走しているため、採血時には深く刺さないように注意しましょう。

優先して穿刺する部位

  • 肘正中皮静脈
亜子先輩
亜子先輩

ただ、肘正中皮静脈の深部に上腕動脈や正中神経が走行しているので、深く穿刺しないように注意しよう。

神経損傷のリスクが高い部位

  • 尺側皮静脈
  • 手関節の橈骨皮静脈
亜子先輩
亜子先輩

尺側皮静脈は、付近に太い神経が走行しているので穿刺しないほうが◎。

手関節の橈骨皮静脈は、橈骨神経浅枝が近く、正しく穿刺しても神経損傷を起こす可能性があり。

 

真剣損傷につながる採血時のこんな行動も避けよう

針で血管を探る、何度も刺す

分かりづらい人、動く血管でやりがちですが、
針で血管を探ったり、何度も刺すのもやめましょう。

思ったより深い場合は、針の角度をつけて何度も刺したりすることもありますよね。

ただ、先ほども言いましたが、
神経は大きな静脈に並行しているため、深く刺すと針先が神経に当たる可能性があります。

ですので、思ったように入らなかった場合は、潔く抜針したほうが大きなリスクとはならないでしょう。

もしそれで患者さんが怒った場合は、謝り方に問題があるかも…。

これまでに1回でも、
採血失敗して患者さんにムスッとされた経験があれば、【こちらの記事】のような対応すれば嫌な気持ちにならずに済むはずです。

抜針後の止血

私の働く健診クリニックであった話なんですが、
採血後の止血が原因で、血腫ができて神経圧迫を訴えた方がいました。

ですので、穿刺後はしっかり止血しましょう。

「5〜10分くらいしっかり押さえておいてください」といっても、1〜2分くらいで離しちゃう人もいるし。

止血部位をもむ人もいます。

もし止血バンドがあれば、積極的に使いましょう。

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最後に…

看護師が神経損傷で訴えられないためには、

  • 穿刺時の患者さんへの対応
  • 神経走行に配慮した適切な部位での穿刺

この2つを気をつけましょう。

とくに痛みを訴えた患者さんは、これまでもないくらい不安です。

適当だったり、曖昧な態度では不信感が募ってしまうため、真摯に対応しましょう。

また、神経損傷を起こさせない予防策も大事で、いくつか方法があります。

その中でも今からでもすぐにあなたに取り入れてほしいのが、穿刺部位の選択方法です。

神経損傷を起こしやすい部位を避けるため、優先的に「肘正中皮静脈」で穿刺しましょう。

ただ、
肘正中皮静脈の深部に上腕動脈や正中神経が走行しているので、深く穿刺しないように注意すること。

もし肘正中皮静脈にない場合は、橈側皮静脈→尺側皮静脈の順に血管を探せばOKです。

病棟にも一人はいると思いますが、
採血やルート確保が上手な先輩っていませんか?

血管がない人でも一発で決めれるのは、実は…良い血管を見つけるのが得意だからです。

良い血管を見つけるにはいくつかコツがあるので、気になる方は以下の記事を参考にしてみてくださいね。