どうも、みもです。
採血中に
- 逆血はあったのにスピッツに入らない!
- さっきまで勢いよく血液が流れていたのにポタポタ…になっちゃった
となったことありませんか?
私はあります。
最初は「え?どうして?なんで?」と頭の中が真っ白に…。
誰だって最初はテンパります。
でも、今では焦らずに対処できるようになりました。
そこでこの記事では、逆血があってもスピッツ管に血液が入らないときの対処方法を紹介します。
最後まで読めばアナタも頭真っ白になって刺し直しすることはなくなるでしょう。
逆血があったのにスピッツに血液が入らない理由3つ
翼状針で真空管採血をするときに、逆血があれば血液が入る仕組みは分かっていますよね?
う、うん…。
知っているよ。
スピッツの陰圧で血液を引く方法だよね…?
そうです。
専用のホルダーをつけてスピッツを装着すれば、陰圧で血液が流れる仕組み。
シリンジ採血だと、採血時間+分注する時間がかかり凝固することもありました。
また、スピッツに分注するときに針刺しのリスクも。
看護師の負担とリスクを減らした真空管採血は、素晴らしい発明です。(誰か知らないけどありがとう〜)
と喜んでいられません。
逆血はあったのにポタポタと血が止まったり、スピッツに入らないトラブルが起こります。
その原因が3つ。
\逆血があってもスピッツに入らないのはなぜ?/
- 真空管の圧が抜けている
- 針先が血管壁にあたっている
- 脱水
①絶対的な信頼がある圧を疑え!
1つ目はスピッツの圧が抜けている。
私は1日15名ほどの採血をして、年に1回あるかないかの割合です。
滅多に起きないやつですが、1度だけでなく数回対応しているので可能性はゼロではありません。
見た目で圧が抜けていると分からないケースがほとんど。
いくら血管に入っていても陰圧がゼロだと、血液を引くことができないので、慌てずに、新しいスピッツに変えればOKです。
真空管採血で1本目に採ったらダメなスピッツがあるのは知っていますよね?
えっとー、それは…
それはたしか…。(なんだっけ?)
真空管採血で最初に採ったらダメなスピッツは凝固系です。
1本目には凝固しても差し支えのない生化学スピッツを選ぶのが◎。
この1本目の生化学スピッツの圧が抜けている場合は、凝固系以外のスピッツを代用しましょう。
間違っても凝固系スピッツを選ばないように注意してくださいね。
1本目に凝固系スピッツを採ったらダメな理由はこちらの記事をチェック・
私は逆血があって入らない場合は、針を動かす前にスピッツを差し替えてチェックしています。
というのも、針を動かすと痛みが生じることもあるのが理由です。
スピッツ自体に原因がないか…を確かめるために、スピッツを入れてチェックして、それでもムリな時に針先を上、下に動かしたり、皮膚をひっぱったりしてますよ〜。
②「二段階刺し」って何?
よくある原因が、針先が血管の壁にあたっていて採れないコトです。
壁にあたってしまってしまう原因は、逆血があった瞬間に針を固定していること。
え?
どういうこと?
逆血に入った=血管に入ったじゃないの?
逆血がある=血管に入った。
これは正解です。
でも、まだ入り口ってのがポイント。
すこーしだけ進めて固定すれば、採血中に血管壁にあたってポタポタとなることは少ないです。
つまり、二段階で針を進めるのが大事!
1回目は採血の刺入角度10〜30度で進め、逆血があってから血管の走行にそって2〜3ミリ進めたらOKです。(針を寝かせた状態で)
もし逆血が弱くなってきた場合は、角度を変えると勢いが戻ることもありますよ。
スピッツの圧で血管がペチャンコになって、針先が血管壁にあたっていることもあるため。
針の下にアル綿を入れて高さをキープするなどの対処をしてみよう!
その太い血管でまさかの脱水!?
それでも引けないケースが1度ありました。(ここ最近もあったよー!)
その原因がおそらく脱水です。
健診に来る人は前日から水分制限があります。中には前日の夕方から飲み食いしていない人も。
血管は太くて弾力もあるのに、何度刺しても逆血なし。最後はシリンジ採血で実施しました。
しっかりした血管でも真空管で採れないとみんな認識した出来事です。
太い血管=脱水はありえないという思い込みが2度刺し、3度刺しの原因になっていました。
今さら聞けない!真空管採血の手順
今さらですが、真空管採血の手順は分かっていますよね。
一応おさらいしておくと、やり方は次の5ステップです。
- 駆血帯をする
- アルコール消毒
- 採血針付きホルダーを血管に刺入
- 採血をする
- 駆血帯を外し、抜針する
名前確認やホルダーの準備、後片付けは省略しています。
ただし、名前と項目の確認も、採血の準備もどちらも重要です!
あと片付けも、患者さんのベッドに翼状針のキャップを落ちていることが多いので、忘れずに。
真空管採血の手順のスムーズな流れは動画でチェックして下さい↓
【おまけ】真空管採血でも血まみれになることも!
真空管採血は、血液が直接スピッツに入るので血まみれにならない…。
そう思っている看護師さんは要注意です。
健診クリニックに務めて10年近くなりますが、真空管採血で3回血まみれになったことがあります。
その原因が、ホルダー針の欠陥。(入れ方の問題でもあるのかな?)
スピッツを入れる時に、針が曲がってしまい、スピッツと針の隙間から血が流れ出るコトがあります。
初めてのときは最悪でした。
スピッツを入れているのに、横からポタポタと血が流れ出る。
9割ほどの血液がスピッツに入っていたので、原因が分かりませんでしたがそのまま採血を続行。
採血が終わった時点で、膿盆に2cm大の血液の水たまりと、スピッツが血まみれになりました。
(惨劇のあとのようで、患者さんも引いていましたね…)
それ以降は、ホルダーの針が曲がっているのを発見したらゆっくり入れて対応すれば血液汚染は最小に抑えられることを発見。
しっかり手袋、膿盆の上で採血するのが大事だと思った出来事です。
おさらい
逆血があるのにスピッツに入らない!
そんなときは慌てずに対処しましょう。
- 真空管の圧が抜けている
- 血管壁にあたっている
- 駆血帯を巻き直す
- シリンジをつけて引く
確率は少ないですが、まずはスピッツの圧を疑って下さい。
最初の1本目のスピッツを入れても引けない場合は、凝固系以外のスピッツにチェンジ。
(※凝固系がダメな理由が分からない人は【こちらの記事】を参照)
それでも引けない場合は、針先が血管壁に当たっていないかをチェックして下さい。
その次の対応は、駆血帯を巻き直すコトです。
ただし、スピッツをホルダーに差し込んだ状態で駆血帯を外すのはNG。
静脈圧低下により血管への逆流が起こる可能性があるので、駆血帯を外すのはスピッツを外してからにしてくださいね。
最終手段はシリンジで引く。
それでもムリな場合の原因は2つあります。
- 針の部分で凝固してしまった
- 血管からズレてしまった
速やかに抜針するのをオススメします。
「何でだろう…」と悩む・困る気持ちも分かりますが、一番ツライのは採血をされてる患者さんです。
できるだけスピーディーに対応するコトを気をつけて下さいね。