駆血帯を外し忘れて抜針したらどうなるの?
という疑問にお答えします。
駆血帯を外し忘れて抜針するのって、採血になれない新人くらい。
と思っていると危険です。
私はいま健診クリニックで働いている看護師。(⇒参照:プロフィール)
毎日採血をしているので、採血手順も体に染み込んでいましたが、「駆血帯の外し忘れ」をしたことがあります。
そう、新人看護師だけでなく、中堅&ベテランナースも起こり得るミスです。
そこで今回は、駆血帯を外し忘れて抜針したらどうなるのかを詳しく解説します。
どうして外し忘れて抜針してしまったのか…という私の体験談も交えてまとめました。
採血するとき、シリンジと真空管の違いって何?
即答できなかった人は、必ずチェックしよう!⇒【シリンジ採血と真空管採血の違いって何?】
採血で駆血帯を外し忘れて抜針したらどうなるの?
結論から言うと、駆血帯を外し忘れて抜針したら、血腫ができます。
その根拠は、駆血帯を巻く理由です。
駆血帯を巻いて採血&点滴するのは…静脈血の還流を止めることで、末梢の静脈が膨れて穿刺しやすくするため。
つまり、駆血帯を巻いている間は、ドバっと出やすい状態です。
駆血帯を外すタイミングは「抜針前」です。【採血の手順のおさらい】
知っていて当然ですが、一応採血(点滴)の手順の確認をしておきますね。
採血(点滴)の手順は次の通りです↓
- 駆血帯を巻く
- アルコール消毒後、穿刺する
- 採血が終了したら駆血帯を外す
- 抜針する
※スピッツや薬剤の確認などは省略しています。
もしこの流れを覚えていなければ、しっかり頭に入れておきましょう。
といっても、しっかり頭にも入っているし、カラダにも染み込んでていても、駆血帯を外し忘れて抜針することも。
どうして駆血帯を外し忘れて抜針してしまったのか(体験談)…は次の項目で詳しく紹介します。
採血スピッツを入れる順番は覚えてる?
なかなか覚えられない…とお悩みの方は、【スピッツの覚え方】を参考にして下さい。
【体験談】駆血帯を外し忘れて抜針してしまったー!【ルーチンワーク恐るべし】
健診クリニックで働いて8年。
1日90名の健診者のうち10人ほど採血を担当しているので、採血の手順はカラダに染み込んでいます。
一番怖い状況がこのときです。
頭で考えなくても声掛けもできるし、体も自然に動いている。
抜針して血がドバっと出た瞬間、ハッ!駆血帯を外さずに抜針していたことに気づき、慌てて駆血帯を外し対処。
慣れた作業ほど、ルーティンワークになりがちです。
それが私の失敗した原因。
もし血まみれになったり、血腫ができた場合は、速やかに謝ることも忘れないで下さい。
バレないだろうとシレーっと対応しても、不信に繋がるだけ。
もしも神経損傷など起こした場合は、訴訟問題に発展することもあります。誠実な対応も看護師には必要です。
駆血帯を外し忘れて抜針したときの血腫ができるメカニズム
駆血帯を外し忘れて抜針したら、血腫ができます。
そのメカニズムを簡単に言うと、
駆血帯をつける→血液がうっ滞→抜針する→血管内圧が上昇→穿刺部分に血液が集中→血腫
という流れです。
駆血帯を外し忘れて抜針したときの対処法
駆血帯を外し忘れて抜針したからといって、必ず血腫ができる訳ではありません。
正しい対処法をすれば、血腫は予防できます。
- 迅速に駆血帯を外す
- 穿刺部をしっかり圧迫する(止血ベルトを巻く)
- 皮下血腫(内出血)になる可能性を患者に伝える
外し忘れた!という時点で、すぐに駆血帯を外しましょう。
そして、「血腫になるかも…」と患者さんには伝え、キツめに止血バンドも巻き、長めに巻い欲しいコトも伝えればOK。
私が駆血帯を外し忘れたときは、この対処法ができたので、血腫にはなっていませんでした。(本当に良かった…)
血腫が原因で神経損傷などの症状も起こり得るので、迅速かつ正しい対処が求められます。
【おさらい】駆血帯を外し忘れると、皮下血腫ができる!
駆血帯を外し忘れると…抜針後の血液量が増えたり、皮下血腫ができるコトがあります。
抜針する前に必ず駆血帯を外してください。
駆血帯を外し忘れた場合は、次の3つの対応をしましょう。
- スグに駆血帯を外す
- 穿刺部をしっかり圧迫する(止血ベルトを巻く)
- 皮下血腫(内出血)になるかもと患者さんに伝える
慌てずに冷静に対応すれば大丈夫です。
もし内出血ができた場合は、アイスノン等で冷やして対応すればOK。
血腫が広がると、しびれを訴える患者さんもいます。
しっかり対応して下さいね。