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【新人ナース必読】「血管が見えにくい」ときに試してほしい、7つのこと

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「いつもここで採血してるって言うけど、筋っぽいんだけど…?」

「うわぁ〜、両手とも血管ないやん…。いったいどこでルート確保すればいいの?」

こうした悩みを抱えているなら、いつもの探し方に”ちょっとだけ”工夫をしてみましょう。ほんの少しのことを変えたり加えたりするだけで、見えない血管がみえる血管になります。

短時間の間に「ここなら絶対に成功させられる」という血管を見つけ出す名人たちの秘訣を知っておきましょう。

変えてみて、血管を探すコツ

1.ベッドの高さや角度を調整する

以前の記事【成功率がアップする採血手技のコツ】でもお伝えしましたが、穿刺の理想的な姿勢は「血管が地面に対して平行」かつ「穿刺する血管と穿刺者の視線が一直線上」であることです。

頭部ギャッチアップしている場合、
当然ですが…四肢も平行ではなくなってしますよね。

こんなふうにベッドの角度が平行になっていないと、四肢も平行ではないので穿刺の姿勢には向きません。

また、ベッドの高さも大事です。

ムリして屈みこまなければいけないような低さではないですか?

血管に対して針を平行に刺入できれば、「いつも通り」の穿刺フォームでできるはずです。

スムーズに穿刺できるベッドの高さや角度に調整しましょう。

2.患者さんの四肢の外転や伸展具合を調整

四肢の「外転不足」は、多くの現場で見られます。

というのも、
患者さんが普通に寝ている状態って、四肢は体幹にほぼ平行です。

しかし、穿刺する際は横からのポジションですよね。

つまり、ここにギャップがあるわけ。

患者さんの腕をもうプラス10°外転してもらうだけで、劇的に穿刺しやすくなります。

3.肘関節を捻ってみる

意外かもしれませんが、
肘関節を内側や外側に捻るだけでも血管の見え方が変わります

さっきまで全然見えなかったのに、回内(回外)しただけでポコっと出てくることはよくあること

短時間で良い血管を見逃さないためには、あらゆる角度で探しましょう。

4.駆血帯の締める強さ、位置を調整してみる

「強すぎる駆血」は、動脈の血流を遮断してしまうので、逆に血管のハリを失わせてしまうことがあります。

採血やルート確保の際、もっともポピュラーな駆血の場所は、肘関節の上ですよね。

この部位には落とし穴があるのは知っていますか?

実は…上腕動脈が橈骨動脈と尺骨動脈へ移行する過程で、動脈が表面付近を走っていることが多く、「強すぎる駆血」になりやすいのです。

高齢者や痩せている患者さんでは、特にこの傾向が強くなるので、弱めに駆血帯を巻くように注意しましょう。

反対に、太めの患者さんは少し強めに巻くようにしてください。

また、高頻度ではないのですが、
駆血帯の締める位置によっては、表在静脈だけが遮断されても交通枝をとって深部静脈に逃げてしまうことがあります。

簡単にいうと、
せっかく駆血しても、駆血が不十分なので良い血管が見つかりにくくなるってこと。

対策としては、駆血を強めに巻き深部静脈まで十分に遮断します。ただ、この場合は、動脈の血流を遮断してしまうケースでは逆効果。

ですので、より一般的な対応としては、駆血部位を末梢にずらすと効果制が高まります。

 

加えてみて、血管を探すコツ

5.手首から前腕に向かって数回マッサージしてみる

血管を怒張させる際、穿刺予定部位をペシペシ叩く人がいますよね。

この方法はオススメしません。

というのも、
指で叩く行為は、血管を怒張冴える目的ではほぼ効果がないうえに、むしろ穿刺予定部位を発赤や腫脹させて、血管を見づらくさせているだけ。

何より「叩く」という苦痛をムダに患者さんに与えています

正しい駆血ができていれば、基本的には親指を入れてグーしてもらうだけで十分です。

不十分の場合は、皮膚を叩くのではなく、手首から前腕に向かって3〜4回マッサージしましょう。

6.手の開閉運動を繰り返ししてもらう

血管を怒張させる方法にはもう1つあります。

「手をグーパーグーパー」と開閉運動を繰り返すクレンチング方法です。

たしかに
血管の怒張には有効ですが、血清カリウムの偽性髙値の原因となります。

採血もしくは採血を含むルート確保では、先ほどの紹介した「手首から前腕に向かってマッサージ」をしましょう。

7.加温・保湿をしてみる

加温する場合は、蒸しタオルを使った方法が一般的です。

蒸しタオルによって局所の血流を豊富にし、血管を怒張させます。また、蒸しタオルは患者さんの緊張をほぐす効果もあるのでオススメ。

やり方は簡単で、
40℃ほどのタオルをビニール袋に入れて穿刺部位から末梢にかけて5分ほど加温すればOKです。

蒸しタオルを手のひらに握ってもらっても◎。

ただし、
タオルをビニール袋に包まないと、気化熱が奪われて静脈が再度収縮してしまうので注意しましょう。

 

最後に|血管が見えにくいときは、この7つを試してみよう

「どうしよう…。血管がみえない。」というときは、今回紹介した7つのコツを試してみてください。

実際にわたしも「血管がないかも…」というときに試している方法なのでお墨付きです。

それでも血管が見つからない、自信がない場合は、先輩にヘルプしましょう。そのときにどうやって探しているのかも必ず見てくださいね。

ちょっとニガテだった採血やルート確保が楽しくなって、ストレスが軽減されることを祈っています。

ABOUT ME
みも
二児のママナース。 【経歴】看護学校卒業後、病棟看護師(内分泌内科&眼科)、眼科クリニック、呼吸器内科クリニックを経て、現在は健診クリニックで働く。副業で夜勤バイト、消化器内科クリニック、小児科クリニックの経験もあり。 ただいま、QOLを高めるために「お金」の猛勉強です!