今さら聞けない【看護技術】

採血をするとき、親指を中に入れる理由って何?【今さら聞けない】

突然ですが、採血するときを思い出してください。

駆血帯を巻く前後の患者さんの声掛けで、「親指を中に入れて握って下さい」と言っていますよね。

それは、なぜですか?

「血管を見やすくするため」と即答できても、親指を入れる握る理由は知らない人も多いです。

そこで今回は、採血するときに、親指を中に入れる理由を紹介します。

先輩ナース
先輩ナース

採血で親指を入れることは、良い血管を探すのに重要です。

親指を入れて握る以外の良い血管の見つけ方、NGな方法もピックアップ。

✓採血が苦手だな〜

✓もっと採血がうまくなりたい

という看護師は、ぜひ読んで下さいね。

今さらだけど、採血するとき、シリンジと真空管の違いって分かってるよね?

即答できなかった人は、必ずチェックしよう!⇒【シリンジ採血と真空管採血の違いって何?

「ただ握る」と「親指を中に入れる」の違いとは?

採血=親指を中に入れる

昔からある風習ですよね。

改めて聞かれると困りますが、血管を見つけやすくする先人たちの知恵です。

ですが、ちゃんと根拠があります。

採血で親指を中に入れる理由

前腕部の筋肉を収縮

末梢血の還流を促進

末梢の静脈が怒張する

論よりも証拠

「ただ握る」と「親指を中に入れて握る」の違いを試してみました〜!

どうですか?

ただ握る場合と、親指を中に入れて握った場合では、血管の見え方が差があります

こんな人を採血するときは絶対!

ごめんなさい。

もともと私の血管は駆血帯を巻かなくても見えます。(※上写真は駆血帯ありです)

だから、劇的に変化をお伝えすることができませんでした。

本当にごめんなさい。

ですが、採血をするときに、採血で血管が見えにくいな〜と思う人いますよね?

血管が見えづらい3タイプ

  • 太っている人
  • 入れ墨が入っている人
  • 筋肉質な人

この3タイプに該当する人に、親指を入れて握ってもらうと効果あり!

あと、採血ではなくルートキープするときにも◎。

皮膚の奥に隠れている血管を目で確認しやすくなりますよ。

採血するとき、直針も使ってる?

翼状針しか使っていない人は、【「翼状針」と「直針」の使い分け】をチェックしておくと、今よりもスピーディーに採血できるようになるよ。

 

【親指を中にいれる以外】良い血管を見つける方法5パターン

良い血管を見つけるために、『親指を中に入れてギュッと握ってもらう』は必須です。

しかし、親指を入れてグーしても採血や点滴向きの血管が見つからない場合もあります。

そんなときは、次の5つの方法で探してみましょう。

良い血管が見つかる方法
  1. 駆血帯の巻く強さ
  2. 90°内転させる
  3. 前腕マッサージ
  4. 腕をだらんと下げてもらう
  5. 臥床で採血

※血管が見えづらいときは、1から順番に試してください!

駆血帯は強く巻きすぎると、血管が見えづらくなる

せっかく親指を中に入れてギューッと握ってもらっても、駆血帯の巻く強さが強すぎると血管は浮き出てきません

今さらですが、駆血帯を巻く理由は知っていますよね?

カンタンに言うと…静脈血の還流を止めることで、末梢の静脈が膨れて穿刺しやすくするためです。

駆血帯の巻く力が強すぎると、動脈の流れも止まり入ってくる血流までも止めてしまう行為

つまり、駆血帯よりも末梢にある血液量が減り、

  • 血管も見えづらい
  • 採血しても途中で止まる

アナタにとってデメリットしかありません

駆血帯はほどよい力で留めるのが◎。

駆血帯はきつく縛ればいい!と思っているなら、大間違いです。

ほど良い力でギュッと縛らないと、良い血管は浮き出てきません。

具体的な「程よい力」については【駆血帯の巻く強さ】で紹介しています。

90°内転させる

親指を入れてギュッと握る、駆血帯をほど良い強さで巻く、それでも肘正中皮静脈に血管が出てこない場合は、前腕を90°内転させてみましょう。

たったこれだけで、見えづらかった血管が突然、ボコッと出てくることも…。

それでもダメなら、次の方法を試してください。

前腕マッサージをする

駆血帯を巻き、親指を中に入れてギュッと握ってもらったら、手首から肘に向けて前腕をマッサージ。

2〜3回繰り返したら、見えていなかった血管が浮き出て見やすくなります

腕をダランとおろしてもらう

前腕を心臓よりも下に下げると、腕に血流が集まりやすくなりますよね。

時間としては3秒ほどでOK

駆血帯を巻いて、ただ腕をおろしてもらうだけで血管の怒張を促します。

ベッドで採血をする

座位で血管を探して見つからない場合は、臥床になって血管を探してみましょう。

座位と臥床時では、皮下脂肪の位置が代わり、見えなかった血管が出てくることも。

また、血管がわかりにくいと、血管探すのだけでも時間がかかり、探す方はものすごーく必死になってしまいます。

患者さんが気分が悪くなっているコトを見落としがちになるので、予防として最初から臥床で探すのもアリです!

採血中に患者さんが気分が悪くなったときに、スピーディーに対応する方法はチェックしておこう。⇒【迷走神経反射になったときの対処法

先輩ナース
先輩ナース
良い血管を探す方法を紹介しましたが、一昔前はよくやっていた間違った探し方があります。

中堅&ベテランナースで今もなお続けている人も。指導者から教えてもらったから…とマネするとNGです。

必ずチェックしましょう。

 

【NGな方法】それやっても血管は怒張はしません!

ここからは、ちょっと前まで普通にしていた探し方。

その方法をやっても血管は怒張しないどころか、検査データに影響がでることもあります。

絶対にやったらダメな探し方です。

必ずチェックしましょう。

NGな方法
  1. 強く握る
  2. グーパーグーパーする
  3. たたく
  4. 温める

強く握る&グーパーグーパー握る

患者さん自身よくやってしまうのがこの行為。

  • 手のひらを強く握る⇒ハンドクリップ
  • グーパーグーパーを繰り返す⇒クレンチング

この動作は、筋肉細胞からのKの流出を引き起こし、正しい結果がでません。

やむを得ずしてしまった場合は、生化学のスピッツを一番最後にすれば大丈夫です。

なぜなら、採血してから5ml以降はK値への影響が少ないと言われています

たたく

ベテラン看護師さんが、よくやる手法。

ペシペシ…と皮膚に刺激を与えれば痛みが生じます。その刺激は、血管を怒張するどころか、収縮させるだけです。

また、叩くことで赤血球が壊れる溶血を起こす可能性も

叩くのはやめましょう。

温める

血管が見えづらいときに効果的と言われていた方法です。

実は…私も先輩ナースに教えてもらって何度かやったことがあります。

たしかに温かいタオルを乗せると、血管は拡張しますが、血流が増える訳ではありません

これはあくまでも血管の「拡張」であって、「怒張」するわけではなし!

怒張とは?

血管が平常時よりも膨れる状態です。

 

握った手はどのタイミングで開く?

太くて弾力ある血管を見つけるために親指を中に握ってもらった手。どのタイミングで開くのが正解でしょうか?

  1. 逆血が確認できたら
  2. 採血が終了したとき
  3. 駆血帯を外してから

答えは…

採血が終わってからの2番です。

よくあるのが採血の針を刺した直後

患者さんから「もう手は開いていいですか?」と聞かれますが、「まだ握ってて下さい。開くタイミングは後で声掛けますね。」と返答して下さい。

なぜなら、採血途中で急に手を開くと、血管の圧が弱くなります。

圧が弱いと、スピッツに血管が入って来なくなり、採血に時間がかかる原因に

また、手を開いたことで血管が動くこともあります

「手を開くタイミングは後ほどお声掛けするので、軽くでいいので握ったままお待ち下さいね。」と声掛けすればOKです。

【翼状針で真空管採血】逆血があるのに採血管に入らない時の対処方法どうも、みもです。 採血中に 逆血はあったのにスピッツに入らない! さっきまで勢いよく血液が流れていたのにポタ...

 

【おさらい】親指を入れてグーしてもらったほうが血管が見つけやすい!

では最後に、もう一度おさらい。

採血をするときに、親指を中に入れて握ってもらうのは、血管を探しやすくするためです。

その根拠は…

採血で親指を中に入れる根拠

前腕部の筋肉を収縮

末梢血の還流を促進

末梢の静脈が怒張する

親指を入れる、入れないで差があるので、必ず親指を入れて握ってもらうようにしましょう。

ただし、このときに

  • 強く握る
  • グーパーグーパーして貰う

絶対にやったらダメです。

採血データのK値に影響があります。

軽くでいいので、親指を中に入れて握ってもらうように声をかけて下さいね。