今回のテーマは、採血後の内出血です。
twitterで「採血した看護師さんが下手で内出血になった。」というツイートをみて、なんだか悲しくなりました…。
たしかに血管に入らなくて何度も刺した時に内出血させることはあります。
でも、一概に下手だけが原因ではないことを言いたい!
といっても内出血になった患者さんを見ると「あ〜。私の腕が悪くてごめんなさい…」と謝っちゃうんですよね。
謝る必要がないこともあるのですが、新人看護師さんだとその思いが強いはず。
そこで採血後の内出血の原因と対策方法を紹介します。
患者さんに採血が下手なんて言わせないためにも、内出血にさせない行動をしましょう!

【超重要】内出血ができる原因はこの2つ!
まずは内出血ができる原因です。
内出血=皮下血腫のこと。
血管に約1mmの採血針の傷ができて、その傷から皮下組織に血が流れ込んで塊になった状態。
最初は赤紫色で、時間が立つと青黒く、黄色なって最終的に消えます。
一般的に「あざ」と呼ばれるもの。
医療用語では「皮下血腫」と言います。
見た感じ、かなり痛そうに見えるよね。
実際に内出血ができると痛いから、採血者が原因じゃなくてもついつい謝っちゃうんだよね…。
では、何が原因で採血後の内出血が起きると思いますか?
その原因は2つ↓
- 圧迫が不十分
- 採血部分を揉む
この2つが原因で採血後に内出血を作ってしまっています。
採血後にしっかり押さえる訳【イラスト付きで分かりやすくしたよー】
採血の後に「ここ(採血部位)を5分ほどしっかり押さえて下さいね」と声掛けしますよね。
その理由はその理由は止血のためです。
生理学で習ったと思いますが…
採血部位を押さえることで、採血針の傷ができた部分に血小板が集まり、止血されます。

よく分からない人は「はたらく細胞」のアニメの第2話「すり傷」を見るのがオススメ。(※「はたらく細胞」はdアニメで見ることができます!)
血小板が集まるには圧迫が必須です。
圧迫が不十分だったり、揉んでしまうと血小板がうまく集まりません。
結果、内出血になってしまいます。
採血が下手だったから内出血ができたのではなく、圧迫が甘かったor揉んでしまったのが原因です。
内出血しやすい人はどんな人?止血時間の長さは?

採血後に内出血ができたら「採血が下手だったのでは…?」と疑う気持ちも分かります。
圧迫が緩くても、血がドバドバ…と出てくることは稀です。
じわじわと皮下組織に出血していても自覚症状はなし。
しばらくしてから腕が曲げにくい、腕が重だるいと感じたり、絆創膏を外したら内出血になっているケースがほとんどです。
採血後の止血を甘くみた結果なんですが、いくら患者さんに訴えても「大丈夫〜」と言われることも。
ですが、絶対に止血時間を守ってほしい人がいます。
それは誰か分かりますか?
抗凝固薬を飲んでいる人だよね!
止血作用を低下させるワーファリン、アスピリンを服用している人は皮下血腫のリスクがあります。
通常よりも長めの20分間ほどしっかり圧迫して貰うように声掛けしましょう!
通常の止血時間と圧迫止血の注意点
抗凝固薬を飲んでいない人の圧迫止血の時間は約5分ほどでOK。
ただし、注意点があります。
肘を曲げた方がしっかり押さえられそうなのに、どうして肘を曲げたらダメなの?
肘を曲げることで採血した位置と圧迫する位置がズレることがあります。
しっかり押さえたつもりがゆるい状態です。
だから、肘を曲げずにしっかり押さえるのがポイント。
揉んだ場合はどうなるの?
先ほども言いましたが、揉むことで集まってきた血小板を散らす行為です。
揉んでしまったことで青く腫れ上がり、鎮痛を伴う場合も。
絶対に採血部分は揉まないように声掛けするのも大事ですね!
\皮下血腫が原因で採血後にしびれが出ることもあるよ/

内出血になった時の対処方法はどうすればいい?【必ずチェック】

では最後に、内出血になった場合の対処方法です。
通常は自然に吸収されるのを待てばOK。
個人差がありますが1〜2週間ほどで自然吸収されます(あざの色は赤紫色⇒青黒色⇒黄色)。
もし痛みが強い場合は、アイスノンや冷湿布、鎮痛剤を使用するのがオススメです。
また、範囲が広い大きな皮下血腫の場合、しびれ等の症状がでるケースも。
その場合は、外科的に血腫を除去する方法を考慮します。ドクターの診察を促し、判断してもらえば◎。
【おさらい】採血後の内出血は、止血が甘くてもなる!

採血後に内出血ができるのは、採血が下手だからではなく圧迫止血が甘かったのが原因です。
採血部分を揉んでしまったり、圧迫が緩いと内出血が出来てしまいます。
内出血ができると採血が下手と言われるので、何がなんでも死守して下さい。
採血後の止血方法をこまかく声を掛ける。
それが難しそうなら止血ベルトを巻く。
ステプティ等の圧迫止血用の絆創膏を使う。
患者さんに合わせた対応方法をとってくださいね。
