今さら聞けない【看護技術】

足の血圧「正しい測り方」とは?【イラスト付きで詳しく解説】

足で血圧を測るとき、どの場所で測定すればいいの?

聴診器は、どの部位に当てたらいいんだろう…。

先輩は測定できるって言うけど、全く音が聞こえない…。どうして?

こんな悩みを抱えていませんか?

足での血圧測定のやり方は、「看護技術本」や教科書には載っていません。

というのも、病棟勤務でも、足で血圧測定することはレアケース。

バリバリ仕事をする中堅ナースでも、足で測定できることは知っていても、実際に測り方が分からない人も多いです。

だから、「測り方が分からない…」と言っても、的確なアドバイスがもらえずに苦戦する人も…。

そこで今回は、足の血圧測定【正しい測り方】を解説してきます。

足の血圧測定は、「動脈の走行」と「測定のポイント」をしっかりマスターすれば誰でもできます

血圧の正しい測り方とは?【ポイントは3つ】

足の測定部位は2箇所あります。

足の血圧測定の場所
  • 大腿(太もも)
  • 下腿(ふくらはぎ)

それぞれ詳しく解説!と行きたいところですが、その前に血圧測定の大事なポイントをおさらいしましょう。

というのも、足の血圧がうまくできない人の多くが、このポイントができていないことが原因です。

血圧測定のポイントは全部で3つ

  1. マンシェットを巻く位置
  2. マンシェットを巻く強さ
  3. マンシェットを巻く高さ

エビデンスを元に詳しく解説していきます。

マンシェットを巻く位置

まずは、「マンシェットを巻く位置」です。

ポイントは2つあります。

1つ目は、マンシェットを巻く位置は肘から2〜3cm上になるように巻きましょう。

もう一つは、ゴム嚢の中央に動脈が真上にくるように巻くことです。

なぜなら、マンシェットの下端が肘窩にかかると、動脈に均等な圧がかからなくなるため。

また、聴診器にマンシェットに触れて、雑音が生じてしまう可能性があります。

マンシェットを巻く位置は、関節からは2〜3cm離した位置にするのがポイント!

マンシェットを巻く強さ

マンシェットを巻く強さは、看護学生さん、新人ナースはできているはずです。

でも、経験年数がだんだん増えると忘れがちに…。

マンシェットは、ピタッと巻いてはいけません。

マンシェットと腕の隙間に指が2本くらい入る強さで巻くのがポイント!

なぜなら、ギュッときつく巻くと測定値が低く、ゆるいと測定値が高くなることがあります。

マンシェットを巻く高さ

マンシェットと心臓の高さが同じなるように巻く!

これは基本中の基本なので、おそらくみんな出来ていることでしょう。

ちなみに…

心臓の位置と1cmズレたら測定値が0.78mmHg変わります。

先輩ナース
先輩ナース
上肢でも下肢でも血圧を正しく測るポイントは同じです。

では、次の項目で実際に足で血圧測定する方法を解説していきます!

 

足で血圧測定する方法【3ステップ】

ここからは、具体的な「足で血圧測定する方法」を解説します。

大腿(太もも)で血圧測定する方法

手順は次の3ステップです↓

  1. 動脈の拍動をチェックする
  2. 太ももにマンシェットを巻く
  3. 「腋窩動脈」で聴診する
先輩ナース
先輩ナース
大腿で測るときは、上肢用のマンシェットでは測れません。

その理由は後ほど紹介します。

下腿(ふくらはぎ)の血圧の測り方

さっきと同じく、下腿も手順は3ステップですが、聴診する部位は2箇所

  1. 動脈の拍動をチェック
  2. ふくらはぎにマンシェットを巻く
  3. 後脛骨動脈」or「足背動脈」で聴診する
先輩ナース
先輩ナース
前の章で解説した【3つのポイント】をしっかり押さえて測定しましょう。

 

どっちで測定するか迷ったら…

足で血圧を測定する部位は3つ↓

  • 太ももの「腋窩動脈」
  • ふくらはぎの「後脛骨動脈」
  • ふくらはぎの「足背動脈」

どの場所で測定してもいいです。

ただ、測定する前に次のことをチェックしておいたほうが◎

しっかり拍動があることを確認

下肢の血圧測定は、苦戦するナースは少なくありません。

というのも、腋窩動脈や後脛骨動脈、足背動脈を聴診する機会がないからです。

まずは触診して、しっかり拍動があるかをチェックしましょう。

下肢の動脈チェック方法が不安…という人は、下のイラストを参考にしてみて↓

前に測定者がいれば同じ部位を選ぶ

バイタルの変化は患者さんの状況をみる上で重要です。

測定部位によって値が変わることがあります。

もしあなたが測定する前に、他の人が足で測定しているなら、同じ部位で行いましょう

カルテに「測定した部位」をしっかり記載することで、申し送りしなくても統一した測定方法が行えます。

といっても、見逃す人もいるので、申し送りで伝えてください。

太ももは実践向きじゃない

太ももで測定する場合、大腿用のマンシェットに付け替えればOKです。

なぜなら、マンシェットの幅が狭いと測定値が高くなるからです。

太ももで測定する場合、大腿直径より20%広いものとし、大腿用のマンシェット幅20cm、長さ42cmを使いましょう。(※上肢用のマンシェットは幅13〜17cm、長さが24〜32cm)

しかし、太ももは実践向きではありません。

というのも、「腋窩動脈」の血管の走行は、膝ウラです。

つまり、臥位で測定しようとすれば、膝を立てることになります。

悩む看護師
悩む看護師
あれ?膝を立てたら…
先輩ナース
先輩ナース
そう、心臓の高さよりも高くなります。

太ももで測定する場合は、腹臥位+大腿用マンシェットで測定しましょう。

わざわざマンシェットを変えたり、体勢的に難しい、羞恥心などのトータルの理由を考えれば、下肢で血圧測定する場合「足背動脈」ですることが多いです。

 

おさらい

上肢で血圧が測れない場合、下肢で血圧測定をします。

下肢の血圧測定できる部位は、

  • 「太もも」で測定するとき→「腋窩動脈」
  • 「ふくらはぎ」で測定するとき→「足背動脈」or「後脛骨動脈」

の3箇所です。

この中で実際によく行われる部位は、「足背動脈」です。

まずは拍動を確認し、ゴム嚢の中央が「足背動脈」の真上にくるようにマンシェットを巻きます。

聴診器を皮膚にしっかり密着させてカフを加圧しましょう。

これで足の血圧測定はバッチリです。

下肢の血圧が、上肢より高くなる理由は⇒【下肢の血圧が上肢よりも高くなる理由2つ】でチェックしよう。