突然ですが…
あなたは採血で失敗して怒鳴られたことありますか?
この記事に興味を持ったあなたなら、きっと怒られたことがあるのでしょう。
また怒られたことはなくても、ムスっとされたり、嫌そうな顔をされた経験はあるはずです。
なぜなら、採血で失敗したことない看護師はいないから。たとえ神技の持ち主でさえ採血で失敗した経験はあります。
✓この記事で分かること
- 採血失敗時に、無意識に患者さんを怒らせる看護師の行動
- 謝り方で挽回できる!採血失敗したときの対処方法
- 採血失敗だけがクレームの原因ではない
この記事を書いている私は健診クリニックで働く看護師です。
健診クリニックは楽そうなイメージありますが、実はクレームの多い場所。
採血は針を使うのでチクッと痛みを伴います。
にもかかわらず「痛いやんけ!」と怒鳴られたり、「あんた下手やな」と言われることもあります。
採血で失敗したら、もっと怒られそう…と思いますが、そんなことはありません。
むしろ、「看護師の仕事は大変ですね」と同情されることのほうが多いです。
なぜ、採血失敗しても怒られないのか?
それは、採血失敗時に看護師が無意識にやる行動をスパッとやめたからです。
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採血失敗時に、無意識に患者さんを怒らせる看護師の行動とは?
採血失敗したときに、
看護師が無意識に患者さんを怒らせる行動があります。
それが、
「血管が動いてしまって…」
「血管が思った以上に細くて(深くて)」
「血管には入ったんですが…」
こんな風に言い訳していませんか?
採血に慣れた中堅、ベテラン看護師によく見られる行動ですが、新人看護師も例外ではありません。
看護師は国家資格。専門職なのでプロ意識を持つという意味も含めてプライドが高りがちです。
ただ、採血で失敗して患者さんに痛みを与えたのは紛れもなく事実。
素直に「ごめんなさい」と謝るのが筋なのに、「血管が動いてしまって…」「思った以上に深くて針が届かなくて…」等、言い訳ばかりしてしまうのです。
実は、私が患者さんに「もうチェンジして!」と怒られたときも、すぐに謝らなかったから。というか言い訳ばかりしていた。
動く血管を選んだのも自分。
深さを見誤ったのも自分。
細い血管で採れると思ったのも自分。
患者さんの血管が悪いのではなく、全部自分の「選択」が悪いんです。
無意識に患者さんを責めてしまう行動が、より患者さんを傷つけていると知り、言い訳をやめました。
謝り方で挽回できる!採血失敗したときの対処方法
とはいえ、ただ謝ればいい訳ではありません。
たしかに、
言い訳や誤魔化す看護師がいれば「まずは謝れ!」とイラッとするでしょう。
ですが、謝ったところで採血失敗時の痛みは帳消しにできません。
グリグリ探ってしまった場合は、穿刺部位から1cm大の内出血ができることもあります。
「ごめんなさい。」と素直に謝ったとしても許してもらえないこともあるでしょう。
素直に謝るだけが採血失敗したときの正しい対処方法ではないことは分かりますよね。
じゃあ、どんな対応をすれば、患者さんんがムスッとしたり、不機嫌にならずにもう一度採血させてもらえるのでしょうか?
患者さんに誠意が伝わる謝り方
「本当に申し訳ありません」という気持ちをどう伝えれば患者さんに届くと思いますか?
誠意が伝わる謝り方を本気でしたいなら、なぜ採血で失敗したのか考えてみてください。
- 血管が動いた
- 血管が細かった
- 穿刺部位がズレてしまった
…等など、いろんな理由がありますよね。
こう思っている時点でアウトです。
患者さんに誠意なんて伝わるはずがありません。
どの理由にしても「ここで採血する!」と決めた自分の選択ミスのせいで失敗したからです。
ここを理解して謝れる人が、誠意を伝えることができます。
患者さんまたは血管のせいにしている時点で、看護師のおごりが丸見え。プロ意識高く採血していようが失敗は失敗です。
自分の腕が悪くて失敗した事実を真正面から受け止めたうえで謝罪するのがプロとしての責任だと思います。
そう思っていれば、ただ単に「失敗してしまってごめんなさい。」という声掛けはしないはずです。
もう一度、採血していいのか患者さんに聞こう
採血で失敗して謝罪後すぐに「反対の腕を見せてください。」と言っていませんか?
これも患者さんの気持ちが置いてけぼりの状態です。
みんなバタバタしていて「採血を変わってください…」なんて言える雰囲気ゼロなので、採血完了するまでがミッションだと思うのも分かります。
ただし、そのミッションクリアするのがあなたかどうか…はあなた自身で決めるものではありません。
最終的に決める権限があるのは患者さんなんです。
患者さんの大半は渋々再チャレンジを許してくれますが、もうあなたに採血されたくない…と思っている患者さんだった場合、クレームに発展することもあります。
採血失敗した後は、言い訳せずに謝罪したらOKではなく、反対の腕で採血していいか確認をとってからもう一度チャレンジしましょう。
採血の失敗は2回まで!
例え謝って許してくれる患者さんであっても、失敗できるのは2回までが限度です。
2回目チャレンジして採れなかった場合は、クレームにつながるので他の人に交代してください。
ただし、1回の採血失敗でも、血管を探したときに「無理かも…。」と一瞬でも思ったなら再チャレンジはしない方が◎。
健診クリニックで9年以上働いていますが、そう思ったときに成功できた試しがないんです。
「わたしはできる!」とスパッと気持ちを切り替えれる人を除いては、1回の失敗でも交代してもらいましょう。
それも勇気ある決断です。
採血が下手だから…と思わないでください。
潔く身を引くのは決して恥ではありません。
それどころか患者さんの安全安心を守る行動になるので、何度も失敗する看護師よりもスッと引ける看護師の方が素晴らしいと思います。
言い訳せずに謝れば大半の患者さんは許してくれます。
でも、謝ってもダメな場合も…。何が原因なんでしょうか?
採血失敗だけがクレームの原因ではない
どの看護師も採血するときに“あること”を思って挑んでいます。
それは、絶対に失敗したくない!
間違いなく採血する100%の看護師がそう思っています。
ただ、そう思っていても失敗はするんですよね…。
採血失敗した看護師がついついやってしまうのが、誤魔化したり、言い訳することです。
そんな態度の看護師を見て、患者さんがイラッとしても仕方ありません。
誠意ある謝り方をすれば大半は許してくれる…のですが、それでもダメな場合があるんです。
その原因は採血時の「声掛け」かもしれません。
クレーマーが急増中!怒鳴る患者は声掛けでフォローしよう
穿刺したときに「痛い!」という患者さんに対して、どんな声掛けをしていますか?
「痛かったですね。」と声かけていれば60点。
「ごめんなさい。痛かったですよね。」なら80点です。
ただ、痛みに共感せずにスルーしている看護師も多いのではないでしょうか…。
冒頭でも言いましたが・・・
私はいま健診クリニックで働いています。
健診クリニックといえば採血。
1日に20名ほどの採血をして思うのは、怒鳴る人が増えていることです。
最近はお金を払う側のモラルが崩れていて、クレーマーが急増中。病院や人間ドックも例外なくクレーマーが増えています。
採血でよくあるクレームは、痛みについて。
採血は針を使う検査なので痛みが生じます。
最近の針は昔より細くて針先が鋭くなっていますが、皮膚には痛点があるので刺したら痛いです。
刺しただけで「痛い!!」と大きな声を出す、オーバーリアクションする大人気ない人も一日に何度も見かけます。
「針を刺すんだから痛いに決まっている」
私たちならこう思う人も多いことでしょう。
先ほどの質問に戻ります。
針を刺した瞬間「痛い!」と言う患者さんに対して、あなたはどんな声掛けをしていますか?
「針を刺すんだから痛いに決まっている」は看護師では当然のことと思っていても、患者さんは痛いとまで結びつけていない人もいます。
それどころか痛いのは下手だからと思っている節も…。
たしかに痛点があってもシュッと素早く、刺す皮膚の面積を最小にできれば痛みは軽減できるので、採血が上手な人は痛くないことも多いです。
また、皮膚が薄い内側を避ければ、痛くない採血ができるでしょう。
しかし、針を刺す以上痛いのは当然。
これが患者さんと看護師の気持ちのズレです。
患者さんの気持ちにより添えれるかどうか…あなたの真摯な態度を試されている場面でもあります。
これができていない看護師に患者さんはモヤモヤする気持ち、分かりますよね。
気持ちが寄り添えない、言い訳ばかりする、先々進めようとする…ひとつでも欠けていればクレームに発展します。
もし患者さんを激怒させてしまった場合は、【クレーム対応の正しいやり方】を参考に速やかに対処してください。
【まとめ】ごまかさない、言い訳しない!それが誠意ある対応
看護師はプロなんだから、1回で採血できて当然。
そう言われても仕方ないですが、人間です。
毎回100%完璧に採血できる人はいません。どんな上手い人でも、採血で失敗します。
ただ、「この血管、自信ないな〜」と少しでも思ってると確実に失敗します。
私の経験上、
穿刺する前に「私はできる!」「今日の私は調子良いんだから!」と思って採血するだけでも失敗を減らせますよ。
もちろん、太くて、弾力ある血管、走行がまっすぐな血管を選ぶのも大事。
それでも失敗した場合は、すぐに謝罪しましょう。
誤魔化したり、言い訳はNGです。
次は失敗は許されません。
もし自信がなければ、他の人に代わって貰うのも勇気ある決断です!
採血が苦手…。
もっと上手にできれば…。
とお悩みの看護師さんは、ぜひ基本に戻ってみてください。
そうすれば自分の欠点が見えてくるはずです↓