下肢の血圧は上肢よりも高い。
「血圧 = 心拍出量×末梢血管抵抗」と同じくらい知っていることです。
でも、「なぜ高いのか?」とハッキリ理由を言える人はごく少数。
というのも、足のほうが血圧が高い理由までキチンと書いてある看護技術本はありません。
そこで今回は、上肢よりも下肢の血圧が高い理由を紹介します。
足の血圧の測り方が分からない人は、【足の血圧|正しい測り方とは?】をぜひ読んでください。

下肢の血圧が上肢よりも高くなる理由2つ

結論を言うと、下肢のほうが血圧が高くなる理由は2つ↓
- 血圧波形が高くなる
- 血管抵抗が増す
血圧波形が高くなる
血圧は「投射波」と「反射波」があります。
末端にいくほどこの2つの波形が高くなるので、下肢のほうが高値になりやすいです。
血管抵抗が増す
中枢の血管は、弾力繊維を多く含み柔らかいのが特徴です。
しかし、末端にいくほど、平滑筋層の割合が増えます。
さらに、末端は「血管壁の厚さ÷血管径」が大きいので、末梢ほど血管は硬くなり、血管抵抗が増します。
上肢の血圧よりも、どれくらい高くなるの?

悩む看護師
上肢よりも下肢で測ったほうが、高くなりやすいのか〜。
上肢よりもどれくらい高くなるの?
下肢で測定する場合、上肢と比べて10〜30㎜Hgほど高い値になります。
もし、血圧の指示があれば、下肢で測定していることを想定してリーダーやドクターに確認が必要です。
まとめ

上肢よりも下肢の血圧が高値になるのは、「血圧波形が高くなる」と「血管抵抗が増す」からです。
下肢で測定する場合、高値になることも踏まえて経過をみていきましょう。