一生懸命対応しているつもりなのに、患者さんからキツイ言葉をぶつけられて傷ついたことはありませんか?
「そんな言い方しなくてもいいのに…」
「そこまで言わなくてもいいのに…」
と感じる場面は多いですよね。
かくいう私も、これまで病棟やクリニック、健診施設で働く中で「この人、もうムリ!」と感じる患者に何度も出会ってきました。
言葉は武器にもなり、凶器にもなる。
これってホント。
鋭い矢のようになって心をグサグサ突き刺します。
だから、クレーム対応は…怖いです。
ところが…
そんな私が最近は、クレーム対応にビクビクしなくなりました。
というのも、クレーム対応が上手な主任に「こっそり極意」を教えてもらったからです。
実は…クレーム対応って本来のクレームの意味がわかっていれば怖くありません。
「クレーム=人格否定=恐怖」という思考から抜け出すことができるのです。
そこでこの記事では、どんな場面でも使える「クレーム対応のコツ」を紹介します。
遠慮なく「推し活」しませんか?
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まずはクレームの本来の意味を理解すること。それがクレーム対応を制する!
ここからは、中堅ナースの日常キャラクターである1年ナース「杏ちゃん」と7年目ナースの「亜子先輩」と一緒に解説をしていきます。
クレーム対応で何が大事だと思う?
クレームを言ったことがあるなら、そのときのことをよーく思い出してみて。
もし無いなら、ごはん屋さんで対応が悪い定員さんにクレームを言うなら…で考えてみよう。
クレーム対応で大事なのは、誠意だと思います。
ただ謝られても、適当に流されてることにイラッとするもん。
そうだね。
誠意ある対応って大切だよね。
じゃあ、どうすればクレーム相手に誠意をが伝わると思う?
え…?!
そう言われても…。
クレーム対応の基本手順どおり、対応すれば伝わる…?
誠意が伝わるクレーム対応をするには、
クレームの本来の意味を理解することが先決!
ここをすっ飛ばすのは、
血培(血液培養)の目的を知らずに、検査をするのと同じです。
私たちは、これまでに実習の指導者、プリセプターに何度も何度も「目的」を聞かれてきたよね。
目的を押さえることは、正しい対応をするために必要なんです。
ちなみに、
先輩たちが口を酸っぱくいう「情報収集」や「報連相」は、以前に記事を書いたので、
こちらをじっくり読んでください↓
クレーム患者が一番伝えたいこと。【あなたという人格を否定しているのではない】
クレームの本来の意味って…
なんですか?
クレームとは本来、「主張する」「要求する」という意味。
つまり、
患者のクレームは「本来はこうしてほしかった」という要求なんです。
クレーム患者の中にはキツーイ言葉をなげてくる人もいますが、
要約すると「本当はこうしたかったのにできなかったじゃないか!」と言いたいだけ。
そのキツイ言葉が人格否定されたと思ってしまうワケですね。
なんで、素直に「こうしてほしい」と言えないんですか?
それは「感情が優位」になっているからです。
感情が優位になってしまうと、論理的な思考をうまく使うことができません。
「分かっちゃいるけど、冷静に伝えることができない」
と困っている状態なんです。
だから、クレーム対応する場合、まず「傾聴」することが大事!
ちなみに、感情が優位になっている先輩や上司の対応を知りたい方は、以下の記事を参考にしてください↓
クレーム対応の極意【その1】傾聴
傾聴するときのコツって何ですか?
傾聴するときに大事なのは、
「感情が優位」になっている状態を、論理的な思考に切り替えれるようサポートすること。
と言われても、イメージしにくいと思うから、次の4つのポイントを意識すればOKです。
「傾聴」するときに意識する4つのポイント↓
- うなずく
- 言い訳をしない
- オウム返しをする
- リアクションは大きめで
クレーム相手が、
冷静さを取り戻して論理的な思考に切り替えるのが目的ですが、こんな嬉しい効果もあります。
この4つのポイントを押さえて傾聴すれば、
「この人、ちゃんと私(俺)の言っていることを理解しようとしてくれてる」と感じるため、信頼を得ることにも繋がるのです。
ちなみに、
先輩からてっとり早く信頼を得るには、清潔感ある身だしなみに気をつけよう↓
https://nurse-3.info/hair-color-1615
クレーム対応の極意【その2】謝罪
傾聴の次に大事なのが、「謝罪」。
実は…これが簡単なようで、一番難しいのです。
え…?!
一番難しいってどういうこと?
ただ謝るのは簡単です。
ところが、
クレーム対応の謝罪は、どんな相手にも最大級の謝罪をしなくてはなりません。
それなのに、私たちは最大級の謝罪に抵抗を感じてしまうのです。
え…最大級の謝罪?!
どういうこと??
相手がどれくらい怒っているのかって、分からないですよね。
というのも、
10段階のうち8なのか、それとも10というみたいに、数値化できないので判断できません。
…で、思い出してほしいのが「目的」。
クレーム対応の謝罪の目的は、
「あなたの感情をこれだけしっかり受け止めているんです。」
とクレーム相手に伝えること。
つまり、意思表示の場なんです。
あ…そういうことか!
「すみませんでした」というシンプルな謝罪だと、
「その程度としか思っていないのか!」と逆に相手を怒らせてしまう可能性が高いのです。
だから、最初から最上級の謝罪をしておいたほうが◎。
その場が、迅速にまるく収まります。
クレーム対応の極意【その3】感謝
で、最後に大切なのが「感謝」を伝えること。
え…!?
クレーム相手に感謝を伝えるの?
そうです。
突然だけど、ここで杏ちゃんに質問。
100人の患者さんが何らかに病院に不満を持ったとします。そのうちクレームを言うのは何人だと思う?
20人くらい?
答えは4人です。
クレームを言うのはほんの僅か。
大半の人は不満を持っていても何も言わない「サイレントカスタマー」です。
確かに、不満を持っていても、伝えるのって正直めんどくさい。
よっぽど頭に来たときしか言わない。
でも、クレームの内容って、別に気にしなくてもいいんじゃない?
待ち時間が長いとか、対応が冷たかったとか、大した内容じゃない気がする。
そんなことはありません。
むしろ、クレームは宝の山です。
あのユニクロが以前、全国紙の一面に「ユニクロの悪口を言って100万円」という広告を掲載してたのは知ってますか?
そのキャンペーンでは、1万通の応募が寄せられ、エアリズムのベージュがヒットしたのは有名な話。
もともとは「白の肌着は透けて見えるのでなんとかしてほしい」という要望だったとか。
そうだったんだ…!
エアリズムのベージュ、透けなくていいですよね。
日頃からめちゃくちゃお世話になっています。
そう思うと、クレームって大事ですね。感謝したくなる気持ち、なんとなく分かりました。
クレームがあるからこそ、改善ポイントが見つかるよね。
それに、
そもそもクレームを言われないからってみんな満足しているとは限りません。
このポイント、みんな見落としがち。
だから、クレーム相手には、ちゃんと感謝の気持ちを伝えましょう。
まとめ
以上、どんな場面でも使える「クレーム対応のコツ」を紹介しました。
看護師の仕事は、人対人。
どの職場でもクレームがあります。
つまり、クレームは避けては通れない試練のひとつ。
しかし、クレームの対処法さえ間違わなければ、その試練はステップアップの機会へと変わります。
クレーム対応は、採血などの看護技術と同じなので、
もし今の病院を辞めたとしても、クレーム対応があなたの武器(強み)となるはずです。
だから、今回のクレーム対応のノウハウはぜひ、覚えてほしいですね。
ちなみに、
クレーム対応と同じく、転職の強みになる「採血」をマスターしたいという方は、以下の記事がオススメ。
上達するためのコツ、注意点を、分かりやすくイラストを使って解説しています。
予習や復習にぜひ役立ててくださいね↓
で、転職に興味のある方は、こちらの記事もぜひ↓
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要するに、知る人ぞ知る情報なので、知らないと損するってワケですね。