強いメンタルになりたい!
そう願う新人看護師さんは多いことでしょう。
とはいえ、新人の間は…
先輩たちの反応や批判が気になり、常にオドオドしたり、ビクビクしたり…。
周囲の感情や物事に敏感になればなるほど、自分自身はどんどん不自由になるので、強いストレスと感じてしまうのです。
ですが、心の持ち方のコツをつかめば、新人看護師でも先輩たちとの距離を上手くとれるため、余計なものに振り回されないで仕事ができます。
それがスルースキルです。
そのスルースキルの身につけ方3ステップについて詳しく解説していきます。
【本当の意味】スルースキルとは?
まず新人看護師のあなたが知っておきたいことが、「スキースキル」の本当の意味です。
私たちは小さいときから「空気を読め」と知らず知らずに教わってきました。
看護業界の「あるある」で言えば、次の3つ↓
- 新人がナースコールを取る
- 疲れていても勉強(予習・復習)をする
- サビ残で朝の情報収集をする
とくに誰から押し付けられたワケでも無いけど、無意識レベルで周囲の言動や物事にいちいち敏感に反応していませんか?
空気を読み、これらに注ぎ込む時間を増やしているはずです。
スルースキルの本当の意味
それに対してスルースキルとはしなくていいことを判断し、抱える仕事を減らす能力です。
ここで注意してほしいことは、スルースキルとは他人に対して
✓無関心になる
✓自己中心的になる
という意味ではありません。
よく「無視」や「鈍感力」なんて言われますが、全然違います。
何でもかんでもスルーするのではなく、必要なアドバイスはきちんと拾ったり、やるべきことはやるという姿勢が大切です。
また、スルースキルとは人間関係を断ち切り「孤立する」ことでもありません。
最終的には、自分にも周囲にも良い影響を与えることができる!
それが、スルースキルの本当の使い方なんです。
新人看護師は備えておこう!スルースキルが必要な理由
私たちの職場は女性が多く、人間関係がとても複雑です。
その中でスルーしたいのにできない状況が新人の間は何かと出てきます。
例えばどのような状況があるのでしょうか。
いくつか具体例をみてみましょう。
具体例①何かを頼まれたとき
保清ケア中に物品が足らなくなりナースステーションに戻ると「〇〇さんの点滴終わったから、抜針しておいて!」と頼まれる。
血糖測定しようと思ったら「〇〇さん、皮膚科(外来)に呼ばれたから、護送してきて!」と頼まれる。
休みたい日なのに、シフト変更を頼まれる。
…など、いま自分がやりたいことがあるのに、先輩や看護師長から別のことを頼まれた結果、やりたいことは中断せざるを得なくなります。
このようなことが続くと自分の時間が取れなくなり、どうして自分ばっかりとストレスが溜まってしまうのです。
具体例②他人の行動が気になるとき
- プリセプターやフォロー看護師が冷たい
- お局の新人に対する傲慢な態度が気になる
- 同期の謎の偉そうな態度が気になる
このように何かが気になりはじめると、仕事中も家に帰ってからも心がモヤモヤ。
休みの日もそれらの感情に支配されてしまい、リラックスする時間が作れません。
そんな日が続くと、相手に対するイライラや怒り、焦りが増殖し、自分は無関係なことなのに、そのことを考えるだけで1日あっという間に過ぎてしまいます。
具体例③他人の評価が気になる
- 看護師長や先輩の反応が怖くて自分の意見が言えない
- 友達に嫌われるのが怖くて誘いを断れない
- 親に怒られるから「仕事を辞めたい」と言えない
相手は怒るよね、相手はがっかりするよね…と勝手に想像して自分の考えを言えない、誘いを断れない人も多いのではないでしょうか。
相手の評価ばかり気にして、自分の気持ちを心に封じ込めていると…自分自身がなくなり、相手のためだけに行動するようになってしまいます。
理想の「(新人)看護師」を押し付けられるってやつですね。
本来したい看護はできなくて苦しむのです。
実際、頼まれごとの多くは、誰でもできることであって、あなたがしないといけないことではありません。
そもそも他人の行動は「その人」が責任を負うべきなことであって、あなたがいちいち気にする必要はないんです。
他人の評価はあくまでもその人の考えによるもの。
本当にあなたの能力を捉えているとは限らないので、敏感に反応してイライラしたり、不満を感じたり、ビクビクしたり…あなたの感情を不快にするだけのムダな時間なのです。
自分の責任の範囲を超えていることや、正しいとは限らないことは全てスルーしまってOK!
これらをスルーしてしまえば、新人看護師でもムダな時間や労力を使うことなく、自由に楽しく生きられるのです。
実際にスルースキルを身につけるための方法【3ステップ】
ここからは、実際にスルースキルを身につける方法をわかり易く解説していこうと思います。
とはいえ、周囲の感情や物事に敏感な人は、不要なことをスルーすると言っても、最初はなかなか上手くいかないでしょう。
スルーすることで…
相手が不快に思うのではないかと気になり、余計にストレスが溜まってしまう人もいるかもしれません。
そこでオススメの方法が、段階的にスルーする能力を高めていくことです。
「スルースキルを高める方法3ステップ」を紹介します。
STEP①スルーする・しないを区別する
まずは、他人の反応や周囲で起こる出来事からスルーすること・しないことを区別することから始めましょう。
というのも、自分に役立つことや避けてはならないこと等、スルーすべきではないこともあるから。
その一方で、考えたところで解決しないことや考えることすら無意味なことが存在します。
例えば…新人いじめ。
新人だけってことでいじめる看護師はある一定数います。
何をやっても気に入らないので、無視したり、悪口言ったり、怒ったり…。
理不尽な態度を取られて、モヤモヤした気持ちになったこともあるでしょう。
また、やってもいないミスや失敗までも新人のせいにされることも同様です。
これらの出来事により、イライラしたり悲しい気持ちになっても、すぐに状況が変わるわけではないため、スルーしてしまったほうが◎。
スルーする・しないを区別するポイントは、より広い視野に立ってみたとき、それは「大した問題か」と考えてみましょう!
狭〜い病院の中だけでなく、日本や世界、宇宙レベルで見れば…どうでもいいものに見えるかもしれませんね。
そのような広い視野で物事を見つめてみれば、「こんなことに時間を使ってもいいのか」と思うようになり、スルーすべき・しないべきという線引がしやすくなるのです。
STEP②相手の負の感情の存在を認識する
プリセプターやフォロー看護師に「他の同期はできてるのに…」と言われたら、自分の能力が足りないからと落ち込んでしまうことありますよね。
「あの子、ほんと使えない」など先輩たちの陰口を聞いてしまうと、「病棟のお荷物」や「看護師向いていない」と自分を責めてしまうこともあるでしょう。
他人の言動をそのまま受け止めて落ち込んでしまう人は、相手が常に正しく、ダメなのは自分と決めつけています。
しかし、プリセプターは看護師長にプレッシャーをかけられている、先輩たちはプライベートが上手くいっていない等、何らかの原因を抱えていたらどうですか?
というのも、問題を抱えている人は、常にイライラするもの。
八つ当たりの対象として、あなたを選んでいる可能性が高いでしょう。
相手の言動の価値を判断する前に、本当に相手が言っていることが正しいのかどうか、立ち止まって考えてみることが大切!
ただの八つ当たりなら、気にするだけ時間のムダです。
相手の言動をスルーしてしまえば、いつの間にか相手も関わってこないはず。
STEP③自分軸に切り替える
スルーする・しないを区別し、相手の負の感情を認識できる。
それらを踏まえて「自分軸」に切り替えていきましょう。
ここで注意しなければならないのは、自分軸=自己中ではないことです。
自分の責任の範囲を超えたことは「すべきこと」から外して、やるたいことに時間と労力と時間を集中させること。
それが自分軸という考え方なのです!
自己中な人は、好き勝手行動して職場をめちゃくちゃにします。(例:お局看護師)
自分軸で考える人は、仕事を早く終わらせ次の仕事に取りかかります。
さらに、自分軸で考えて一部の仕事をスルーした結果、仕事が一人に集中せず職場の効率性が高まるというメリットも。
そして、スルーすることで人間関係が悪くなると思われがちですが…実は逆!
自分軸で考えられる人が増えれば増えるほど、相乗効果を生み出す人間関係が築けるため、働きやすい職場になるのです。
最後に…
新人看護師が職場に振り回されないための「スルースキル」について紹介しました。
本来のスルースキルは、まわりに無関心になったり、無視することではないので、自分の状況に対する不満がなくなるはずです。
今の職場だけでなく、今後転職しても有効活用できるでしょう。
ぜひ3ステップを試してみてくださいね。
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