どうも、こんにちは。看護師のみもです。
先輩に説明されたけど、
後輩に説明したいけど、
ブランクがあって、
- シリンジ採血と真空管採血ってどう違うの?
- 結局、どう使い分けたらいいの?
と悩んでいませんか?
そこでこの記事では、「シリンジ採血と真空管採血の違い」について紹介します。
イラスト&写真付きで解説しているので、昼休憩中にサクッと読めるはず。
【ちょっと一休み】
昼休憩中に勉強する看護師さんも多いですが、推しをこっそり見ている人も意外と多いですよね。
「昼からも頑張るぞー!」「定時に帰るぞー!」とモチベーションを上げ、効率よく仕事を進めていくため。
そんなあなたに朗報です。
推しにもっと会える職場があるとしたら・・・?
シリンジ採血と真空管採血の違いは、たった1つ!
結論から言ってしまうと、
シリンジ採血と真空管採血の違いは、スピッツの入れる順番だけ。
ですので、採血の基本の流れ(手技)は同じなので、以下の手順で進めていけばOKです。
- 準備をする
- 穿刺部位を決める
- 駆血帯をする
- アルコール消毒する
- 穿刺する
- シリンジを引くorスピッツを入れ替える
- 駆血帯を外し抜針する
- スピッツに分注する(シリンジ採血の時だけ)
ただし、スピッツに血液を入れる工程が大きく異なります。
シリンジの場合は採血後に分注ですが、真空管の場合は直接ホルダーから採血しますよね。
このようにシリンジ採血と真空管採血では微妙に手順に違うため、それぞれの注意事項を確認しておきましょう。
スピッツの入れる順番、シリンジ採血と真空管採血でどう違う?
スピッツの入れる順番については、
「あした使える看護技術」の記事でも一番人気の【スピッツの入れる順番の覚え方】で詳しく解説しています。
気になった方はぜひ読んでください。
時間がないという看護師さんのためにさらっと解説すると、
シリンジ採血と真空管採血では、1本目に採るスピッツ管が異なります。
シリンジ採血の場合、1本目に入れるのは「凝固スピッツ」です↓
一方、真空管採血の場合は、一本目に入れるのは「生化学スピッツ」。
どうして違うの?
なぜ1本目のスピッツが違う?
採血の時とき「凝固系から入れろ!」と先輩から教わった人も多いことでしょう。
しかし、真空管採血では違います。
なぜなら、スピッツに直接血液が入るからです。
もう少し掘り下げて説明すると、
穿刺したときに組織液が混入して、スピッツ内で凝固の原因になることがあります。
1本目は凝固しても検査データに影響がでない「生化学スピッツ」というワケ!
実は…
もう1つ凝固スピッツ(黒)から採ったらダメな理由があります。
新人看護師のよくある失敗「採血の取り直し」
わたしは時短という意味で「直針」の採血が好きなんですが、逃げる血管などにも即対応できる扱いやすい「翼状針」で採血する看護師さんのほうが多いはず。
…で、その翼状針を使って真空管採血した場合に、よくある失敗があります。
それが、
採血の取り直し。
真空管採血の場合、1本目に黒キャップの凝固スピッツを入れてしまうと「採血量不足」となってしまうのです。
というのも、
凝固スピッツに必要な血液量は2cc。
以下の表をみて分かるとおり、
多すぎても少なすぎても検査結果に影響します。
引用:検査のパレット
シリンジ採血のとき、線よりも多く入れてしまうケースもありますが、一番多い失敗は真空管採血での量不足です。
一体なぜ、真空管採血では量不足になってしまうのでしょうか。
その原因はシンプル!
真空管+翼状針で採った場合、穿刺部位からホルダー(スピッツ)までにデットスペースのせいです。
真空管+翼状針で採血で1本目に凝固スピッツを採った場合、約0.4ml(デットスペース分)の血液量不足になるってワケ。
さらに、スピッツの期限ギリギリだった場合、圧が弱くなっていることもあるので、ラインまで入らないこともあります。
ですので、真空管+翼状針で採る場合は、「絶対に1本目に凝固スピッツを採らない」と覚えておきましょう。
もし凝固スピッツだけ取り直しの採血をする場合は、シリンジ採血がオススメ。
どうしても真空管採血でしたい場合は、空スピッツでデットスペースに血液が満したあと、2本目として凝固スピッツを採ればOKです。
シリンジ採血と真空管採血の使い分け
実際、シリンジ採血と真空管採血する際、私たちにはどんなメリットやデメリットがあるの?
「シリンジ採血」のメリット&デメリット
- 陰圧を調整できる
- スピッツ6本以上の採血にも対応できる
- 採血してから分注までに時間がかかる
- 分注する際に溶血しやすい
- 針刺し事故が起きやすい
- 血液汚染しやすい
- 一人では難しい場合もある
多くの看護師さんは、細い血管でシリンジ採血を使用しています。
「真空管採血」のメリット&デメリット
- スピッツを入れ替えるだけで採血できる
- 血液汚染が少ない
- 溶血が起こりにくい
- 細い血管の場合、圧が強くてペチャッとなる
- スピッツ交換時に針が動きやすい
基本は、真空管採血でOK。
血管が細い患者さん、血管が真空管の陰圧でペチャッとなって採れない…という患者さんのときにシリンジ採血をします。
ただ、上記のような場合、真空管で採血したものの途中でシリンジに切り替えるパターンがほとんど。
最後に…
シリンジ採血と真空管採血の違いは、たった1つ。
スピッツの入れる順番です。
シリンジ採血では、1本目は凝固しやすい「凝固スピッツ」もしくは「抗凝固剤が入ったスピッツ」から入れます。
一方、真空管採血では、凝固しても、血液量が多少足りなくても問題ない「生化学スピッツ」です。
ここを押さえておけば、突然シリンジ採血になっても困ることはないでしょう。
もっと採血について学びたいという方は、以下の記事が役立つはずです↓