今の病院から別の病院に転職したい場合、転職のための活動っていつから始めるべきなんでしょうか。
パターンとしては「在職中」に転職活動を始めるか、「退職後」に始めるかの2択です。
いったいどちらが転職活動を開始するタイミングに相応しいのでしょうか。
そこでこの記事では、看護師が転職活動を始める最適のタイミングの見つけ方について詳しく解説してきます。
看護師が転職活動を始める一番のタイミングは?
転職を希望する場合は、まず転職活動を始めるタイミングを決めましょう。
「いつか転職しよう」とか「今の仕事を辞めてからゆっくり転職活動をはじめよう」といった曖昧な考え方では、転職がズルズルと延びてしまうだけ。
転職活動を行う上で、あなたの年齢が大きなポイントとなるため、転職自体を先延ばしにするのは得策ではありません。
まずは、どうして転職したいのか、どんな転職先を臨むのかといった自分の基準をハッキリさせましょう。
その上で転職活動を始めるのですが、転職活動には金銭的・精神的余裕が大事ということを理解しておくことも重要です。
というのも、あなたの考える「転職の成功」って、転職先の病院から内定をもらうことではないですよね?
転職後に前の病院よりも、活躍できること、キャリアアップを目指せること、給料や待遇がアップすること。
それが本来の「転職の成功」のはずです。
例えば、退職後の転職活動でなかなか転職先が決まらない場合。
早く転職活動を終わらせようとして、妥協したり間違った転職先を選んでしまっては本末転倒ですよね。
転職が成功するには、時間的な余裕だけでは不十分で、冷静かつ客観的な判断をするには金銭的・精神的余裕が欠かせません。
転職活動は在職中から始めるのが、転職の失敗のリスクも少なくおすすめです。
看護師が在職中に転職活動をスタートさせるメリットとは?
収入がなくならない
今の仕事を続けながら並行して転職活動を行うので、現職からの給料は変わりません。
現職から退職をしない限り給料は受け取ることができるので、収入が安定した状態で転職活動を行えるってワケですね。
経済的な不安がない状態での転職活動を行えるため、焦らずにじっくりと取り組むことができるでしょう。
とくに家族と一緒に暮らしている場合、家族に金銭的での負担や不安をかけなくて済みます。
転職によって収入が途切れ、生活に影響が出てしまう場合は、家族から転職を反対されることもあるので注意しましょう。
無職の期間がない
次の転職先が決まってから退職するので、仕事していない期間を作りません。
これ、結構大事なポイントです。
というのも、仕事についていない期間は、離職期間として扱われ、離職期間が長いと選考に不利になるケースもあります。
採用担当者は、無職の期間がある看護師に対して、
「なぜこんなにも長期間休んでいたのか?」「体調に問題があるのか?」「休みグセがあるのではないだろうか?」「円滑に職場復帰できるか?」
といったことを心配します。場合によっては不信感を抱かれることもあるので、長い離職期間は選考に不利です。
それに一般的には、転職を希望する場合には職務経歴上に空白期間がないほうが望ましいため、在職中に転職活動を行うのが最適でしょう。
転職に失敗してもリスクを最小限にできる
あなたが心配しているとおり、転職は必ずしも成功するとは限りません。
なぜなら、あなたが希望する条件に合う病院を見つけられない、入職したい病院が採用を行っていない、面接が通らないといったことも十分あり得るからです。
必要なスキルが足りていないことが原因で転職できない場合には、スキルを磨くために勉強をして仕切り直すといったケースも多いです。
例えば、採血やルートキープを習得してから転職すれば選択肢がグンと広がります。
また、転職がうまく進まなくても、現職の仕事があるので職を失うことはありません。
万が一、自分の希望に当てはまる転職先がなく転職そのものを取りやめたとしても、今まで通り現職の仕事を継続すれば問題なし。
現職から離職せずに転職活動をすれば、転職活動から受けるリスクを軽減できるのがメリットです。
看護師が退職後に転職活動を行うデメリット
転職をしたいと思ったとき、少しでも早く今の病院を辞めたいという看護師さんもいます。
人間関係や仕事が多忙すぎて心身に負担を感じている場合には、まず退職に踏み切るといったケースも多いです。
しかし、退職をしてから転職活動を始める場合、いくつかの問題点やデメリットが懸念されます。
収入がなくなる
当たり前といえば当たり前ですが、退職をすれば、現職からの給料はゼロになります。
その後、転職するまでは収入がない状態になるため、経済的に不安定です。
たとえ転職先が決まったとしても、転職先の病院の都合ですぐには入職できるとは限りません。
例えば、月始めに面接して内定をもらったとしても「来月からきてください」と言われる可能性もあります。
この場合、何が問題かというと、
面接から約1ヶ月後に入職することになるため、初給料が入るのはさらに1ヶ月後も先。
面接に合格して採用が決まったとしても、実際に給料を受け取るまでにはタイムラグがあるってワケです。
転職する場合、収入が入らない期間を乗り切るための貯えがないと生活が厳しくなるのが痛いところ。
さらに、収入が得られない期間に病気になってしまうと、急な出費が重なってしまい生活が立ち行かなくなる危険性をあるのです。
退職のタイミングが先になる場合は、転職が決定するまでの生活を支えるための十分の貯蓄が必要ってことですね。
面接が不利になる
退職後に転職活動を行うと、前職を辞めた理由は絶対に問われます。
というのも、採用するにあたって、採用後にすぐに辞められては採用にかけた時間もコストも全部パー。
時間もコストもムダにしないためにも、同じ理由で退職されないかということをチェックする必要があるのです。
また、退職後から時間が経過している場合には、その期間を何に使っていたかというところも焦点になります。
とくに何もせずボケーッと毎日を過ごしていたり、転職活動をしていたがなかなか決まらなかったというときは、心証が良くないため不利になることもあるでしょう。
他の病院の面接で合格がもらえない看護師に対して、もし自分が面接官という立場だったらどう思いますか?
人材として有望ではないかもしれない、何か問題あるのではないか、といった不信感を抱いてしまいますよね。
さらに転職を考えているなら、在職中に何かしらのアクションを起こしたことも注目されるので注意しましょう。
例えば、転職に備えて勉強を始めたとか、やりたい分野について調べたとか。
何かしらの計画性が感じられないと、勢いで退職してしまう人物かもしれないと疑われてしまうかもしれません。
焦りやすくなる
退職をしてからの転職活動は、時間との勝負。
退職して再就職するまでの時間が長ければ長いほど、経済的に厳しいし、面接も不利に働いてしまうでしょう。
そのため、とにかく焦りやすくなりがち。
焦って冷静な判断ができなくなったり、自分の希望とはマッチしない転職先でも妥協したりするのが問題です。
どこでもいいから早く転職しなければ…といった焦りで転職先を決めてしまうと、前職よりも低い条件での労働になるリスクがあります。
そうなった場合、いずれ不満が積もってしまい仕事にやりがいを感じられなくなるパターンが多いです。
看護師が在職中に転職活動を行う際の注意点
在職中から転職活動を行うメリットはたくさんあるのですが、退職交渉がトラブルになりやすいという点は注意しましょう。
退職交渉とは、今働く病院に退職の意思を伝え、退職のためのさまざまな手続きを行うこと。
退職は個人にとっても、病院にとってもデリケートな問題のため、いくつかのマナーを守ることが必要です。
まず退職の報告ですが、直属の上司に報告しなくてはなりません。
看護師長に不信感があるからといって、看護師長をぶっ飛ばして看護部長に報告するのは失礼です。看護師長よりも先にプリセプターや主任に報告するのは避けましょう。
また、相談があるといったニュアンスで退職を伝えると、まだ引き止める余地があると思われてしまい、強い引き止めにあうかもしれません。
退職理由も職場への不満や人間関係の問題といったことの名言は避けたほうが無難です。
退職することで大なり小なり現場には迷惑をかけることになるので、円満に退職できるよう引き継ぎなどもしっかり行いましょう。
ちなみに、
在職中の転職活動をラクにできるコツについては、
以下の記事でくわしく解説してるので、参考にしてみてくださいね。
看護師が「在職中」に転職活動する際のよくあるQ&A
ここでは、在職中の転職活動によくある疑問にお答えしていきます。
Q.転職活動の期間はどれくらい?
最短で1ヶ月ですが、平均の転職活動は2〜3ヶ月。
ただ、多職種に比べて看護師の転職活動はスピーディです。
というのも、看護師の転職にかかる期間が短いのには2つの理由があります。
ひとつは、面接がほぼ1回のみであること。もうひとつは、書類選考から面接結果が出るまで3日と選考スピードが早いことです。
内定までが早くサクッと転職が決まる反面、人手不足ですぐにでも働いてほしい病院の場合は、そう長くは待ってくれません。
トラブルを避けたいなら、退職を切り出すタイミングを逆算して行動したほうがいいですね。
Q.退職を切り出すタイミングは?
退職を切り出すベストなタイミングは、人それぞれ違います。
というのも、
病院ごとに退職ルールが異なるからです。
例えば、1ヶ月前に退職を伝えればいい病院もあれば、3ヶ月前の病院もあります。ひどい病院なんかは、半年や1年前という場合も。
…で、この退職ルールを知る方法ですが、入職したときに「就業規則」ってもらいましたよね?
そこに退職の申し出期間が書かれているはずです。もし書かれていない場合は、仲のいい先輩や口がすっぽん並に堅い先輩にこそっと聞いてください。
今あなたが働く病院の退職ルールどおりに退職を伝えればOK。
もし退職ルールが1ヶ月以上の場合は、転職先や現職でトラブルに発展しやすいので、看護師転職サイトの担当者に相談しておくと安心です。
どの看護師転職サイトにしようか迷っている方は、以下の記事が参考になるはず。
実際に使ってよかった転職サイトをはじめ、足を引っ張るダメダメな担当者の特徴、うまく使うコツなんかも紹介しています。
初めての転職者はもちろんのこと、思うように転職活動できていない看護師さんにも役立つ情報です。
Q.面接などの日程調整に苦労しない?
たしかに、在職中の面接は大変です。
そもそも看護師はシフト制だし、常に人手不足なので、突然面接が入っても「ここを休みに…」とお願いしにくい雰囲気ですよね。
ただ、なかには役所の手続きや、マンション工事の立ち会いといった不可避の内容、家庭の事情で休みにしてもらう強者もいます。
とはいえ、普通はできない人が多いので、そんなときこそ看護師転職サイトを活用しましょう。
面倒な面接などの日程調整をあなたの代わりにしてくれるので、「この病院とあっちの病院の面接日を一緒にしたい」というときでも悩むことはありません。
複数応募する際は、ひとつにまとめてくれるので、貴重な休みが全部面接になったとガッカリすることもありません。
Q.もし引き止めにあったらどうする?
退職時の引き止めを警戒している看護師さんは少なくありません。
それも当然で、どの職場も人手不足なので、引き止められる確率は高いです。
ただ、ポイントを押さえて伝えれば、引き止めは怖くありません。
そのポイントについては、以前の記事「退職時の強い引き止めに一番効果ある方法」で詳しく紹介しているので、参考にしてください。
引き止める隙をじーっと狙ってる看護師長をズバッと阻止できる方法です。
Q.業務と転職活動を両立するコツは?
仕事と転職活動の両立を心配しているなら、やはり看護師転職サイトの利用をオススメします。
転職のプロがあなたの転職活動を全面的にバックアップしてくれるので、省略できることはごっそり省き、その省いた時間でじっくり吟味することができます。
つまり、
時間だけでなく、心の余裕を作ることができるってことですね。
まとめ
転職で失敗したくないと思っている慎重ナースほど、在職中に転職活動はしたほうがいいでしょう。
あなたの転職の最終目標は
「自分にとって働きやすい職場へ転職する」
ですよね。
それを達成するためには、時間も心もお金も余裕でなくてはなりません。
退職後の転職活動は、時間はあっても金銭的・精神的に余裕がなくなりやすいので、在職中の転職活動がオススメ。
ただ、在職中の転職活動は、時間に余裕がないため、看護師転職サイトをうまく活用して「時間的余裕」を作りましょう。
時間も心もお金も余裕のある状態で転職活動すれば、あなたが納得できる転職になるはずです。
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