どうも、こんにちは。看護師のみも(@nurse_mimo)です。
筋注といえば「三角筋」。
穿刺部位を決めるときに肩峰の三横指下と覚えた人も多いと思います。
ただ、この従来のやり方だと安全に筋注できない可能性があるという指摘があり、新しいやり方が考えられました。
そこでこの記事では、新しいやり方で三角筋に筋肉注射する方法を紹介していこうと思います。
といっても、従来のやり方は間違いではないので、やりやすいほうで行えばOKです。
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【三角筋で筋注】従来の手技と違うのは3箇所!
早速ですが、三角筋での新しい筋注の手技を解説していきます。
従来のやり方と違うのは次の3箇所です。
- 接種部位の決め方
- 腕をおろしたまま穿刺する
- 看護師も座って行う
それぞれ解説していきますね。
①筋注の接種部位の決め方
まずは三角筋への筋注の位置が従来と異なります。
従来のやり方
今までの決め方であれば、肩峰の三横指下ですよね。
実は…この「三横指下」という言葉の中に、だいたい5cmっていう意味が含まれているんだけど、知っていましたか?
え…そうなの。知らなかった…。
という人も多いはずです。
看護技術本にも「三横指下」とハッキリ書かれていて、5cm下とは書いていません。
そりゃあ、誰だって「三横指下」と覚えてしまいます。
しかし、指の太さは、人それぞれ違います。
もし打つ人の指が細いと上になりすぎてしまい、肩関節障害や、腋窩神経障害、橈骨神経障害などの合併症が起こる恐れが…。
そんなわけで、打つ人や打たれる人に関係なく、安全な場所が決められるようにと新しい方法を考えたんですね。
新しいやり方
新しいやり方で接種部位を決める方法は次の通り↓
「肩峰からおろした垂線」と「前後の腋窩線の頂点と頂点を結ぶ線」が交わる部位です。
この方法は、自分や患者の体格や、指の太さに左右されません。
確実に安全に注射部位を決めれるのですが、服を脱いで貰わないと注射部位が決めれないデメリットも…。
ただ、従来のやり方よりも合併症が起こりにくいのでより安全に行うことができます。
合併症って何ですか?
筋肉注射の合併症
従来のやり方で起きる合併症は以下の通りです。
【筋肉注射の合併症】
- 肩関節障害(SIRVA)
- 腋窩神経障害
- 橈骨神経障害
肩関節障害とは、ワクチン接種によって肩関節周囲炎、滑液包炎、腱板炎が生じる状態のこと。
肩峰から3cm以内に接種したときに生じる恐れがあります。
新しいやり方は、従来のやり方よりも合併症が起こりにくい方法です。
②③筋注するときのポーズ
次に、筋注するときのポーズです。
患者と看護師それぞれ従来とは異なります。
注射するときの患者のポーズ
患者の場合は、筋注するときに腰に手を置いてもらっていたはず。
しかし、新しいやり方では手は下げたまま行います。
なぜなら、
腰に手をおくと肩関節が内旋してしまうからです。
その結果、橈骨神経が正面にくるので、謝って刺したり、薬液によって橈骨神経障害を起こす恐れがあります。
だらん…と真っ直ぐに下ろしてもらうのがポイント!
ひねってしまうと、穿刺したときに橈骨神経に当たる恐れがあるので注意しましょう。
注射するときの看護師のポーズ
注射を行う看護師の姿勢も今までとは異なります。
従来のやり方では立ってしていましたよね。新しい方法は看護師も座って行います。
立って行うと目線が高くなるので、誤って肩関節障害や腋窩神経のリスク部位に刺す恐れがあるんです。
新しい筋注のやり方動画
注射前の注意事項↓
注射部位の決め方↓
穿刺部位が決まったら↓
一連の動画はこちら↓
コロナワクチンを筋注するときの注意点
もしあなたがコロナワクチンを注射する場合は、逆血確認は不要です。
本来なら穿刺したあと「しびれはないですか?」と聞きながら逆血確認します。
しかし、ワクチンは衝撃に弱いので逆血確認はNGです。これは案外ビックリしました。
まとめ
以上、三角筋への新しい筋注のやり方を紹介しました。
気をつけるポイントは3つ。
- 接種部位の決め方
- 腕をおろしたまま穿刺する
- 看護師も座って行う
従来よりも合併症が起きにくい方法です。やりやすい方法で行いましょう。
従来のやり方が知りたい方はこちらをみてくださいね。