自分よりつらい人はたくさんいるから、私はまだ幸せ…
自分よりつらい人はたくさんいるから大丈夫…
自分よりもつらい人はたくさんいるから、まだ頑張れる…
この考え、バグってます!!
さらに、「あなたよりもつらい人はたくさんいるから、もっと頑張れ」とか「頑張りが足りない」と言ってくる人も同じくバグってます。
そこでこの記事では、私が新人時代「自分よりつらい人がいる」と考えていた末路をお話しますね。
私はまだ大丈夫と思っている看護師さんはぜひ最後まで読んでください。
【後悔】自分よりもつらい人がたくさんいるから頑張ろうと思っていた新人時代。
私が新人のとき働いていた職場は、とにかく仕事に対してストイックな看護師が多かったんです。
どんな看護師がいたかと言うと…
サービス残業がえげつない人、休日出勤を進んでする人、はたから見たら絶対に無理!と思う業務をこなす人。
こんなヘビー級の先輩がたくさんいました。
おそらく、一般レベルのつらさを感じなくなってしまったヤバい看護師たち。
そんなモンスター看護師たちを間近で見ていた私は、自分がつらいと感じたときに何を考えていたかと言うと…
「しんどいよー。しんどいけど、あの先輩たちはもっとつらい仕事を乗り越えてきたし、私よりももっとつらい思いをしたはず。こんなんでギブアップしたら批判されるだろうな…」
なーんてことを考えていました。
周りの看護師たちを見るたびに、先輩たちもこの苦しみを味わってきた、乗り越えてきた…とヒシヒシ感じるわけですよ。
そうすると、つらいと感じる自分の考えが甘いと思ってしまうんですね。
ただでさえ、「ゆとり」とか「最近の新人は…」と皮肉を言われていたので、甘いとか思われなくないって当時は謎の意地を張っていました。
「つらいと感じる」自分の考えが甘いと感じた3つの理由
自分でも「しんどい」「つらい」と気づいているのに、なぜそこまで他人の頑張りやつらさをモノサシにしてしまったのでしょうか。
実は、それには理由がありました。
あとになって気づいたんですが3つも!
先輩たちと同じように頑張ることで上から評価されたかった
「私って仕事ができない…」「看護師に向いていない」と同期と比べて落ち込むことってありますよね。
でも、同期と比べても意味はありません。
それと同じで、他人の辛さと比べても人それぞれ度合いが違うのに、「あの人と同じくらい頑張らないと評価されない」と思っていたんですよ。
別に出世したいわけでもないですが、評価されることで自分の立場を守ろうとしていたんでしょうね。
そもそも業務をこなしている時点で病院には貢献しているのに、そこに過度なつらさを受け入れていたように思います。
あえて過酷な道へ選んでいたので、仕事を休むことに対しても感覚がバグっていきました。
熱が高くても、お腹が痛くても、とりあえずドーピングして出勤しようって。
新人のときは、体調が悪くても当日欠勤するのがほんと怖かった…。
ストイックな先輩たちからの「視線」が気になった
周りにはつらい人がたくさんいたので、その先輩たちからの視線も気になりました。
先輩たちと同じつらさを経験しなくてもいいのに、「自分だけつらくない状況でいるのは、なんか悪い…」と何故か思ってしまうんですよね。
ことの始まりは、先輩たちであって、自分の意思で己をストイックにさせているだけ。
冷静に考えれば周りを巻き込むなって話なんですが、当時は1ミリ、いや1ミクロンも疑わなかったですね。
つらい人を見慣れた看護師たちの視線も気になった
つらい状況の人たち、キャパオーバーでぶっ倒れそうな人たちがウジャウジャいる職場って、当然周りはそういう看護師たちを見慣れています。
実は一番怖かったのが、つらい人を見慣れている看護師たちからの視線です。
仮に自分がそこまで負担のない仕事だけをしていたとしても、彼女らがあーだ、こーだと直接言ってくるわけじゃないのに、かなりビビっていました。
いや、新人のときは直接言われていたかも…。
だから、かなり警戒していたのかもしれませんね。
【末路】とことん追い込まれてメンタル崩壊
自分よりもつらい人がたくさんいるから、頑張らなくちゃと思ってストイックになり、追い込んだ結果…
メンタル崩壊の一歩手前までいきました。
最初はね、「自分の限界レベルがアップした」なんて呑気に喜んでいたんですが、そんな冗談も言えないくらいすっごいメンタルが病んでズタボロに…。
仕事がつらすぎてロッカーでは涙ぐむし、帰りの電車の中でも涙がスッーと流れてきたり。(末期)
メンタルクリニックの門を叩くまでいきました。
そして、3年目で辞めましたよ。病院。
体調が悪化して、これ以上はぶっ壊れると思ったので。強制終了です。
ストイックに自分を追い込んだ末路がこれ。心の声を無視して体に出るようになりました。
でもね、解放されたので、辞めて本当に良かったと思いますよ。
【最後に】頑張る矛先、間違っていませんか?
自分と「つらい思いをしている人」を比べては絶対にダメ!
ほんとっ、無意味です。
追い込んでいるときは気づかなかったんですが、無意味でしかありません。
だってまず第一に、人それぞれつらいレベルって違いますよね。
A先輩がつらい業務できるなら、後輩のBもできるって考え、普通に考えて「はぁ〜?」って思うでしょ?
つらさのキャパって人によってっ全然違うし、もともとの性格や生い立ちで変わってくるもの。
ところが、これまでいろんな職場を経験しましたが、
少数の「つらい思いをしている人たち」が評価の基準となっていることがほとんどです。
ある看護師は、ちゃんとやるべき業務をこなしている。
そしてもうある看護師は、やるべき業務に加えて大変な業務をこなしている。
もし上記のような場合、どちらを評価するかといったら後者の看護師ですよね。
それが基準となってしまい、周りはどんどん自分を追い込むように…というか、
「私もあれくらいやらないと」とか「やったほうがいいのかな」って思うようになっていき、最後には「やるしかない」となるわけで…。
ただ、これは負のスパイラル以外のなにものでもありません。
社員も辞めたくなるし、実際に辞めていった看護師を何人も見てきました。
仕事を頑張るのは素晴らしいことだと思いますよ。
でも、一部の人たちの過労っぷりが評価の基準になると、周りも一緒に負担がかかっていくようになるんです。
だから、つらい人を見て自分は頑張ろうってのは間違いだと気付きましたね。
周りをみてもっと頑張らなきゃって考えは、自分を滅ぼす呪いのようなもの。
何のために仕事を頑張るのか、頑張る矛先を間違えなくないですね。