突然ですが…
あなたはどれくらい「紹介会社」のことを知っていますか?
紹介会社とは、あなたが転職したいと思ったときに希望に沿った求人を紹介してくれたり、今後のキャリア相談に乗ってくれたりするサービスを無料で提供してくれる会社のことです。
転職を経験したことある看護師さんなら、看護師向けの紹介会社を一度は使ったことがあることでしょう。
しかし、「どうすれば紹介会社の実力を最大限に引き出せるのか?」というのは、実は看護師さんの間でもあまり知られていません。
つまり…これを知っていれば、今後あなたが行う転職活動がもっと有意義なものになるはずです。
そこで今回は、看護師がうまいこと紹介会社を活用して転職成功する方法を紹介します。
【登場人物紹介】
杏ちゃん
急性期病棟で働く1年目看護師。看護師の仕事は好きだけど、病棟の人がイヤで「辞めたい」と思っている。とはいえ、新しい環境に飛び込むのも不安…。
亜子先輩
2回転職成功していて、楽しそうに働く7年目看護師。杏ちゃんがめちゃくちゃ頼りにしている先輩で、きわどい質問もバシバシ答えてくれる。
※中の人は、現役看護師(15年目)です。
一度も転職したことないので、そもそも紹介会社が何をしてくれるのか正直よくわかっていません。
了解!
そのあたりも分かるように解説していくね。
紹介会社は複数の会社を同時に登録しよう!
転職するときに最も重要なのは、「複数の紹介会社を同時に登録したほうが良い」ということです。
少なくとも3社、できれば5社は同時に登録して使ったほうがいいよ。
え…!?
なんで1社や2社ではダメなの?5社も登録するのは面倒くさい…。
理由は簡単で、紹介会社を使った転職は、キャリアコンサルタントとの相性がめちゃくちゃ重要だからです。
ぶっちゃけ「誰が担当になるか」ということが、サービスの質に大きな差が出てしまいます。
例えばちょっとイメージしてほしいんだけど…
杏ちゃんの転職を手伝う担当のコンサルタントが実は新卒1年目のペーペーで、しかも自分とは全く相性が合わない人だったらどう思う?
転職って人生が大きく良くなるチャンスだよ。めちゃくちゃ嫌じゃない?
あ…それは最悪かも…。
これはどの紹介会社を選んでも起こる可能性があって、仕方ないことなんです。
仕組み的に。
だから、
複数の紹介会社に同時に登録をして、コンサルタントのレベルとか性格などを比較できるようにしておけば、そういうダメなコンサルタントを相手にしなくて済むようになるんです。
この分野で働きたいと言っているのに、そうじゃない案件ばかりプッシュしてくることもよくあること。
コンサルタントにうまく言いくるめられて面接や内定を承諾してしまう看護師さんも少なくありません。
それは怖い…。
そうならないために、紹介会社は複数の会社を同時に登録しておいたほうが◎。
コンサルタントとの相性は、「恥ずかしい本音が言えるか」で判断!
ちなみに、担当コンサルタントと相性が良いかどうかというのは、どうやって判断すればいいの?
それは、「恥ずかしい本音で言えるかどうか」で判断できると思うよ。
例を挙げると、「ドクターとの不倫がバレた」とか「借金返済のため」みたいなヤバメな理由。
こういう事情って、知り合ったばかりの人には言えないよね?
それは、親密な仲にならないと言えないかも…。
言ってしまえば、こういう恥ずかしいことでも気軽に話せるコンサルタントに巡り合うことが大事なんです。
でも…「不倫がバレて…」みたいな恥ずかしい話って、できれば隠しておきたいよね。
どうしても話さないとダメ?
言ったほうが、紹介される求人の質は高くなります。
どの紹介会社でも、「こういう場合はこういう求人を紹介したほうが良い」というケーススタディを社内で共有しているからです。
それに、本音でさらけ出してくれる人のほうが、そうでない人よりも「なんとかしてあげたい!」と思いやすいよね。
紹介会社の人も人間なんだもの。
紹介会社の同時登録は、3〜5社が一番バランスがいい
紹介会社は、できれば5社同時に登録して使ったほうがいいけど、働きながら転職活動する看護師さんには難しいかもしれません。
何が難しいんですか?
どの紹介会社も登録は1分ほどで完了するので簡単です。
ただ、その後の担当コンサルタントとのやり取りが大変になります。なぜなら、全く同じことを話さないといけないからです。
登録した5社すべてに…。
転職成功に欠かせないステップと分かっていても、わずらわく思っちゃう…。
紹介会社が5社を超えるとさすがにやり取りが大変になるから、3〜5社に絞って登録するのが一番バランスがいいよ。
希望条件を細かく伝える2つメリット
紹介会社をうまく活用するには、その条件を希望する「理由」をコンサルタントにありのまま打ち明けることも大事です。
それって…
たとえば年収450万円ほしい人が「なんで450万円ほしいのか?」っていう話?
そうです。
ほとんどの看護師さんは、将来どういう仕事がしたいのか、なぜその条件なのか…など細かいところまで遠慮して話しません。
でも、これが良くないんです。
実は…相談のときに細かく色々と注文つけている人のほうが、そうでない人よりも、転職した後の離職率が低いんです。
どうして?
理由は2つあります。
1つは、細かく注文つけている人のほうが、つけていない人よりも納得して転職先を選べること。もう1つは、細かく注文つけている人は「その条件がほしい理由」をきちんと話せているケースが多いんです。
イメージしづらいから、実例で説明するね。
例えば…新人看護師の杏ちゃんが「年収450万円がほしい看護師」で、紹介会社に相談へ行ったとします。
このときに「なぜ450万円なのか?」を伝えるのと、伝えないのとでは、紹介する案件が全く違ってくるんです。
なんで紹介される案件が違うの?
どうにもならない家庭の事情で、今すぐ年収450万円ないと生活ができない場合は、誰も行きたがらない病院で働くしかありません。
でも、もし周りが450万円くらいもらっているから、自分もなんとなくほしいという理由だったらどう?
うーん…。絶対に450万円必要かと言われると違うよね。
そうです。
この場合、「3年後に450万円になっている」ことを見据えて、まずは年収400万円くらいの働き方とか中身がもっとまともな求人を紹介できたりするんです。
今すぐほしいのか、もう少し先でもいいのかで、紹介される案件が変わるんですね。
転職相談するときにこの「450万円がほしい理由」をちゃんと伝えないと、今すぐ450万円ほしい訳ではないのに「1年目なのに給料が450万円、いいな〜」とかなって、結果ミスマッチだったことが起こるのです。
でも…本音の理由を言ってドン引きされないか…ちょっと心配。
実際のところ私が転職したい理由って、看護師長とプリセプターが嫌いだから…とかだし、言いやすい雰囲気を作ってもらえないと言えないと思う。
そうだよね。
ただ、コンサルタントは転職のプロで、その辺はちゃんと分かっているから、どんな理由であれドン引きすることはありません。
遠慮せずに初めからズバッと本音を言っちゃったほうが楽だし、得だと思うよ!
コンサルタントの実力が分かるズルい見分け方
最初に理由が言いづらいんなら、あえて理由を言わずにとっておく方法もアリだよ!
理由をあえて言わない…?
どうやるんですか?
きちんとしたコンサルタントであれば、年収450万円ほしいとだけ伝えても、必ず「なんで450万円なのか?」と聞いてくるからです。
ここで理由も聞かず案件だけ紹介するようなコンサルタントは、ダメなコンサルタントだと判断できるので、切ってしまってOK。
この方法だったら、5社登録しても何とかできそう…。
転職が失敗しやすい紹介会社のNGな使い方
さっきも言ったけど…
紹介会社を1社しか使わなかったり、コンサルタントに本音を全く話さない、希望条件をざっくり伝えるだけは、転職が失敗しやすい使い方です。
あともう一つ、転職で失敗する看護師がよくやる使い方があります。
え…なんだろう?
コンサルタントとのやり取りを面倒くさがって、メールやLINEのみで求人情報を教えてもらおうとすることです。
ちゃんとヒアリングができていないとベストマッチな求人の紹介はできないし、コンサルタントのモチベーションも下がってしまいます。
グサリ…。
私、まさにそのタイプです。
忙しいを理由にして「電話をかけないで」というつもりだったけど、面倒くさがらずにちゃんとコンサルタントとコミュニケーションを取ろうと思います。
それで転職がうまくいけば別にいいけど…
失敗する確率が高くなるから、コンサルタントとはちゃんとコミュニケーションをとったほうが◎。
そのときに「土日しか連絡してこないでください」みたいな感じで、コンサルタントからの連絡を制限するのもよくないよ。
え、でも…看護師は不規則な勤務だし、残業とかあって電話が出られないことのほうが多いから、「この時間なら電話はOK」という日を作っておいたほうがいいのでは?
平日の夜、20分でもいいから電話をかけても良い時間を作るように努力したほうが、転職意欲をアピールできるから、早くていい転職活動ができると思うよ。
いい求人を優先して紹介してもらいたいよね?
だったら、つべこべ言わずにやるっきゃない!
転職活動にかける時間
転職活動って家探しと一緒で、時間をかけたほうが好条件の求人に出会えそう…。
個人的には、看護師の求人の場合、長く待ったところで良い求人が出てくる印象はありません。
出てくるかどうかも分からない好条件の求人を待つために、嫌な職場に何ヶ月も居続けるくらいだったら、さっさと転職したほうがいいと思うよ。
紹介会社って色々あるけど、具体的にはどう違うの?
紹介会社をうまく活用するコツはだいたい分かったけど、紹介会社ってたくさんあるよね。
その中から3〜5社を選ぼうなんて…相当ハードルが高くない?
そうだよね。
看護師専門でやっている紹介会社だけでも、小さいものを含めると500以上あると言われています。
500…そんなにもあるの?!
大丈夫だよ。
いくつかのポイントを押さえれば、3〜5社を選ぶのはそう難しくないよ!
詳細は「転職サイトの選び方」の記事で書いてるから読んでね。
あと5分で休憩が終わるので、簡単に内容を教えてもらっていいですか?
う…うん。
基本的にオススメなのは大手です。
理由は、求人の網羅性が高いのと、小さい紹介会社よりもトラブルになるリスクが低いから。
大手の中でもオススメなのが、マイナビ看護師、ナースではたらこ、看護roo!(看護ルー)。とりあえずこの3社が鉄板ですね。
マイナビ看護師と看護rooは知ってるし、ナースではたらこも聞いたことある気がする。
ただし、必ずしも大手がオススメとは言えないケースが2つあります。
必ずしも大手がオススメとは言えない理由①
1つ目は、正社員ではなく派遣をやりたい場合。
正社員と派遣では紹介ノウハウが異なるので、大手の紹介会社でも紹介すらしてもらえないことがあります。
基本的に紹介会社は正社員向けのサービス。
先ほど挙げた3社の中で、マイナビ看護師がダントツに知名度が高いですが、派遣の紹介はやっていません。
じゃあ、派遣をやりたい人が、マイナビ看護師に登録しても意味がないってこと?
MCナースネットってどんな会社なの?
MCナースネットは、看護師の派遣において、求人数と質、時給は業界№1。単発派遣も含めて交通費を全額支給してくれるのはMCナースネットだけです。
派遣をやりたい場合は、この会社が選択肢に入らないことはまずあり得ません。
必ずしも大手がオススメとは言えない理由②
もう一つのケースも教えて下さい。
2つ目は、過去に転職で失敗している場合です。
転職で失敗ってことは、紹介会社から紹介された求人先に転職したけど、すぐに辞めたようなケースだよね。
私の周りでも何人かいるよ?
うまく転職できない原因に、求職者である看護師がコンサルタントとのやり取りが上手にできていないことが大きいと思っています。
なんで?コンサルタントが悪いんじゃないの?
もちろんダメなコンサルタントに当たってしまったのもあるけど、そういう人が担当になったときにどうするか決めるのは看護師自身です。
ぶっちゃけコミュ力の問題なんですよ…。
じゃあ、そういう人はどうしたらいいの?
まずはカウンセリングに力を入れている紹介会社をオススメします。
というのも、カウンセリングに力を入れている会社は、だいたい大手のサービス内容に疑問を持って始められた小規模の会社であるケースが多いからです。
たしかに大手がオススメとは言えない訳だ!
…で、この場合、どこの紹介会社がオススメなんですか?
いくつか候補がありますが、オススメは「Nsキャリア」という紹介会社です。
ここは、「ファーマキャリア」という薬剤師のオーダーメイド求人で人気の会社が運営しているので、実績はもちろん全国の医療機関や企業とのパイプもあります。
オーダーメイド求人…?
Nsキャリアに在籍するコンサルタントは、大手人材紹介会社でもトップの売上を誇っていた人材を中心に形成されています。
しかも、コンサルタントが担当する看護師の人数を制限。
登録者1人あたりにかけられる時間が長いので、ねばり強くマッチする求人を探したり、交渉してくれるということです。
他の紹介会社では難しいと言われてしまった希望条件でも、Nsキャリア経由であれば叶う可能性があります。
転職で失敗した人はまず、良い求人を探したいというのは一旦抜きにして、ちゃんと話を聞いてくれるコンサルタントを見つけることが重要なんです。
まとめ
最後におさらいです。
- 紹介会社は最低3社、できれば5社登録したほうがいい
- 腹わって本音を話せるコンサルタントを探せ
- 希望条件は、細かく色々と注文をつけていい
今回紹介した内容は、良い紹介会社やコンサルタントの場合なので、当然もっと対応が横柄な紹介会社とかコンサルトもいます。
自分の身を守るためにも、どうすれば紹介会社をうまいこと使えるか…は、看護師さんも知っておいたほうが◎。