もともと希望の病棟ではなく、毎日の忙しさに疲弊して「3月いっぱいで辞めたい…」と思っている方もいることでしょう。
書類上(就業規則)“1ヶ月前”と書いていても、慢性的な人手不足に悩んでいる病棟だと…言い出しにくいですよね。
しかも、早い人は1年前や半年前に退職の意思を伝えているため、今から円満退職する方法は一見ムリに見えるでしょう。
しかし、
私は、正月明けの最初の金曜日に伝えれば、年度末でも円満退職できるタイミングだと思います。
なぜ「正月明けの最初の金曜日」に退職を伝えたら、年度末でも円満退職できるのか、詳しく解説していきますね。
1年でもっとも引き止められにくい時期
なんで正月明けの「最初の金曜日」なんですか?
看護師長がまだ休みボケが残っていて、引き止められにくいから。
病棟で働いていたら年末年始なんて関係ないですが、連休を取る看護師長は多いです。
いつもはキレッキレの看護師長でも正月休み明けはふわふわっとしています。
というのも、「生活リズムが大きく狂うため」です。
暴飲暴食や寝正月などで生活リズムが乱れ、休み明けはダルさが抜けなかったり、疲れやすいなどが起きやすくなります。
…で、正月明けの「最初の金曜日」というのが、休みの前日なんです。
つまり、正月明けの週で一番ぐったりきているタイミングを狙えば、思考力が落ちているので強引な引き止めもなく退職を受け入れてもらくなります。
今年度に辞めるなら、2022年1月7日(金)が退職を伝えるベストなタイミング!
シフト表の作成前に伝えて退職トラブルを避ける
看護師の勤務はシフト制です。
勤務表の作成に頭を抱えている看護師長(管理職)は少なくありません。
休み希望は早々に締め切られるのに、発表されるのは月末ギリギリ。
勤務表の作成者の苦悩が伺えます。
就業規則の1ヶ月前に退職の申し出をした場合、あなたが働く予定で勤務表はほぼ完成しているはず。
メンバーを入れるにしても、慢性的な人手不足の病棟のため、補充メンバーを入れることは難しいでしょう。
経験やスキル、相性などでメンバーを考える必要があり、一から勤務表を作成する時間なんてありません。
だから、退職を強引に引き止める方法しかないのです。
そうならないためにも、余裕をもって2〜3ヶ月前までには退職の申し出をしたほうがいいでしょう。
二次募集が始まる頃が、今年度で退職する最後のタイミング!
大きな病院なら新卒の採用は秋までには決まっていてますが、二次募集が年明けくらいから始まる病院もあります。
つまり、新年度の採用の最後のチャンスに合わせて退職を伝えれば、わざわざ募集をかけなくても人員補填ができるのです。
人材募集にはお金も労力も必要になりますが、前もって予定していたイベント。病院側としてもベストなタイミングとなるので、比較的辞めやすくなるでしょう。
看護師の退職までの流れ〜円満な辞め方6ステップ!
退職を決意したけど、その後の動きが分からないという方も多いのではないでしょうか。
ここでは、退職するまでの流れを解説していきます。
ステップ①就業規則をチェック
退職を決意したら、最初にやるべきことは「就業規則の確認」です。
就業規則に「退職の申し出は1ヶ月前」と書かれていても、余裕を持って退職の意思を伝えたほうがいいでしょう。
法律上は「14日前」でも退職できますが、病院側はシフトやスタッフの調整を行う必要があります。
円満退職したいなら、なるべく早く退職の意思を伝えましょう。
ステップ②退職を伝える
退職の意思は、「直属の上司」にまず伝えます。
病棟看護師であれば、看護師長が直属の上司です。
主任やプリセプターのほうが話しやすいからといって先に話してしまうと、看護師長が人伝に聞いてしまうリスクがあります。
もしそうなった場合、あまりいい印象は持たれないため、退職交渉が難航する原因になるでしょう。
退職交渉が難航してしまったときは、形にに残る意思表示として退職願を提出する方法もあります。
退職願と退職届の違いについては【こちら】
ステップ③退職日の調整
看護師長(上司)と相談しながら、具体的な退職日を決めます。
こちらの希望だけでなく、引き継ぎ期間や有休の消化、スタッフの人数などを考慮して決めるので、退職希望日が延びてしまう可能性があります。
引き延ばしを防ぐには、ハッキリと退職希望日を伝えましょう!
退職日が決まったら、お世話になった先輩や同期に、公になる前に挨拶しておくのがおすすめです。
ステップ④退職届を提出
職場のルールに従って退職届を提出します。
病院によっては専用のフォーマットがあるので、確認してから作成するようにしましょう。
ステップ⑤引き継ぎ
年度末に退職する場合は引き継ぎが不要になることもありますが、退職日までにきっちり引き継ぎを行います。
受け持っていた業務や役割など、後任スタッフに安心して引き継いでもらえるよう、必要であれば資料を作成するなど準備しましょう。
ステップ⑥退職
最終日も気を抜かずにいつも通り働きましょう。
お世話になった人や患者さんにも挨拶周りするのを忘れずに!
最終日に勤務が重ならないスタッフには、事前に挨拶を済ませておきましょう。
よくある看護師の退職トラブル
最後に、看護師のよくある退職トラブルについて紹介します。
スムーズに退職を進めるヒントにしましょう。
退職トラブル①辞める相談だと思われる
看護師の退職トラブルで多いのが、しつこい引き止めにあうことです。
退職の話自体がなかったことにされ、なかなかスムーズに退職できずモヤモヤ。
ですが、必ずしもみんなが強引な引き止めにあっているワケではありません。
しつこい引き止めにあう看護師には共通点があるんです。
それが、「退職の意思」の伝え方で、相談ベースで話しています。
曖昧な言い方や、中途半端な希望になっているため、そのスキを看護師長は突こうと「人手不足だから…」「監査があるからそこまでは…」「新しいスタッフが見つかるまで…」など、あの手この手で引き止めるのです。
退職意思は固い!とハッキリ伝えることが、退職トラブルを避けるコツ!
退職トラブル②お礼奉公に関する引き止め
看護学生時代に病院の奨学金を利用した場合、「お礼奉公中は退職できない」「途中での退職は違約金が発生する」などの引き止めにあうことがあります。
しかし、こういった引き止めは労働基準法の違法です。
お礼奉公中に退職することは可能ですが、奨学金の返済義務がなくなるわけではありません。
奨学金制度の規約を事前にチェックして、退職後の返済方法について話し合いましょう。
お礼奉公の3つの返済方法は【こちら】
当道府県や市町村などの自治体の奨学金であれば、転職先の病院も同じ時事体内の指定病院であれば、引き続き返済が免除されることがあります。
退職トラブル③有給休暇を消化させてもらえない
労働者からの有給休暇の申請を、基本的に病院側は拒否することはできません。
看護師長に相談しましょう。
具体的な取得希望日を書面で申請し、それでも拒否され続けたら労働基準監督署などに相談する対策が考えられます。
とはいえ、人手不足な病棟だと、他のスタッフに負担がかかるのも事実です。
今までに病棟を去った看護師たちがどうしていたのか、信頼できる先輩に聞いてみましょう。
まとめ
今年度で辞めたいと思っているなら、「正月明けの最初の金曜日」に看護師長に退職を伝えるのがおすすめです。
正月ボケで疲れが一番ピークなタイミングなので、判断力が落ちています。
また、シフト表や二次募集など病院側から考えても、このタイミングがベストなんです。
ただ、慢性的な人手不足の病棟で、何人か退職者が決まっていれば、年度末の退職は難しいかもしれません。
ハッキリと退職の意思を伝えて、希望通りの年度末に退職できるよう交渉していきましょう。
今年度で辞めたい新人看護師さんへ
1年目や2年目はツライことも多く、「もう辞めたい」と思うのも仕方ありません。
日本看護協会の「病院看護実態調査の結果」によると、新卒看護師の離職率は8.6%なので、8〜9人に1人の新人看護師が転職しています。
とはいえ、新人看護師の退職は、リスクがまったくないわけではありません。
退職の意思を伝えてもなかなか受理されないし、転職先の病院にも「またすぐ辞めそう」と思われる可能性も否定できません。
「今の病院を辞めたい理由」について、次の4つの視点で考えてみてください↓
- 辞めたい原因は、転職先が変われば解決するのか
- 異動を希望したら改善されないか
- 先輩や上司に相談して改善できないのか
- このまま辞めずに頑張りたい理由はないか
ツライときは、どうしてもポジティブには考えられないけど、焦って退職するような辞め方は、後悔だけが残ってしまうもの。
ちょっと立ち止まってみることで、意外と辞めなくてもいい理由が見つかるかもしれません。
自分ひとりで考えるのが難しいなら、看護師転職サイトに頼るのもアリですよ。
看護師転職サイトに相談すると、プロの経験、目線からアドバイスしてくれるので、自分では気づかなかった改善方法が発見ができるかもしれません。
看護師転職サイトの登録は、相談だけでもOK。
もちろん無料で利用できます。
看護師転職サイトの選び方を参考にして、自分にあった看護師転職サイトを選びましょう。