もう少し経験を積んだほうがいいのは分かるけど、クリニックで働きたい。
とはいえ、どうせ応募しても、経験が浅いという理由で不採用になるんだろうな…。
たしかに病棟に比べると、
クリニックの看護師は1名や2名など少数制となるため、経験豊富な看護師が求められます。
ですが、必ずしもそうとは限りません。
5名以上の看護師がいて教育体制が整っていたり、「うちで育てていく」という考えの院長がいるクリニックでは、経験が浅い看護師でも積極的に採用しているのです。
わたしは3年目のときにクリニックへ転職しました。
院長が、育てていくという方針だったので、レントゲンの見方、なぜこの薬を出したのか…など詳しく教えてくれたので、一人前の看護師に成長できたんだと思います。
そこでこの記事では、
経験浅い看護師さんが活躍できるクリニックへ転職する方法を紹介します。
最後まで読めば、成長できるクリニックで働き、キャリアアップできるでしょう。
この記事を書いているのは、みも。
なんだかんだありましたが、いまは健診クリニックで働く看護師(15年目)です。3年目のとき、病棟からクリニックへ転職してます。
⇒詳しいプロフィールが知りたい方は【こちら】
臨床経験浅い看護師は、クリニックに転職できない?

臨床経験が少ないから不安って思うかもしれませんが、全然大丈夫です。
その理由を、「クリニックの仕事内容」を分解しつつ考えてみましょう。
✓クリニックの大まかな仕事内容
- その①:簡単な看護技術
- その②:メインは雑用
- その③:ルーティンワーク
クリニック看護師と聞くと、大変そうに思うかもしれませんが、実際はそんなことはありません。
大変そうって感じる理由は、看護師の人数が病棟よりも少ないからでして、1人とか2人でも回せる仕事ってことです。
というワケで、
クリニックの仕事内容を順番に紐解きます。
その①:簡単な看護技術
診療科によっても変わるのですが、
一般的な内科であれば、求められるのは「1年目の最初にマスターする看護技術」です。
具体的にいうと、
血圧測定(バイタル)、心電図、採血、注射、点滴。
上記で挙げた看護技術が一人でできれば、問題なくクリニックで働くことができるでしょう。
ちなみに点滴ですが、
スーパーキャスやサーフローなどの留置針は使わず、翼状針で行います。
ただ、消化器内科や眼科では、大腸カメラ、オペ時に留置針でルートをとるので苦手な人は注意!
内科など一般的な科を選べば、求められる看護技術は1年目で覚える簡単なもの。
経験が浅い、臨床経験が少ないと悩んでいる看護師でも、マスターさえしていれば働くことが可能です。
その②:メインは雑用
実は…
クリニックの仕事の大半が、看護師資格がなくてもできる雑用です。
「病棟と一緒か〜」とガッカリされた方もいるかもしれませんが、病棟のときの雑用とちょっと異なります。
クリニックの雑用はこんな感じです↓
- 掃除
- 洗濯
- ゴミ出し
- 備品管理&整理
- クレーム対応
- 電話番
- 案内
- 受付
- レセプト業務(月末)
例えば、掃除や洗濯。
大きなクリニックを除いては、必ずといって看護師たちが行います。
ちなみに、
私が働いていた内科クリニックでは、雑巾掛け+掃除機を毎日行い、ベッドで使用したタオルやシーツ、布団を洗濯していました。
…で、大きなクリニックの場合は、掃除は清掃スタッフがやってくれるので、基本は洗濯です。
といっても、看護助手さんがいるので、お手伝いする程度でOK。
受付と看護師の業務がフワッとしている場合は、雑用がそれだけ多くなります。
雑用は覚えれば簡単なものばかりなので、経験浅い看護師でも大丈夫です。
その③:ルーティンワーク
病棟と異なり、
クリニックは、毎日患者が入れ替わるので、大変そうと思われがちですが、そんなことはありません。
ほぼルーティンワークなので、覚えてしまえば簡単です。
というのも、
クリニックに訪れる患者は、大まかに分けて次の2パターン↓
- 薬をもらいにくる常連
- 熱などで訪れる初診
常連は覚えてしまえばOKなのは分かりますよね?
実は、初診も流れは決まっています。
例えば、私が働いていた呼吸器内科の場合。
咳症状があれば、レントゲンを撮ったり、吸入をしたり、高熱で食欲ない人は点滴をします。
こんな風にパターン化されているので、予測することが可能です。
覚えたら簡単になるので、大変なのは最初だけ!
とはいえ、
経験浅い看護師は、変な癖が付いていないし、飲み込みが早いので、中堅やベテランほど苦労はしないはずです。
「もう病棟はイヤ!」という看護師ほど、クリニックがいい理由
もう病棟ナースなんてやってられない!という看護師ほど、クリニックが向いています。
というのも、
クリニックで働けば、病棟の大変な仕事から開放されるからです。
病棟ナースに「病棟の仕事で一番大変なことは何ですか?」というアンケート結果のTOP5がこれ↓
- 夜勤(不規則な生活):37.8%
- 職場の人間関係:18.9%
- ミスをしないこと:10.8%
- 委員会の仕事:10.8%
- ドクターへの対応
「それがイヤなのよ…」とうなずいた人も多いのではないでしょうか?
これ全部、クリニックへ転職すれば開放されます。
「夜勤」から開放され健康をゲット
まず夜勤が開放されるのは分かりますよね?
ほとんどのクリニックが「日勤のみ」なので、不規則な生活とはおさらば!
朝起きたときの何となく重だるい、頭痛、ひどい生理痛なんかも、クリニックへ転職したら改善する人が多いですね。
「職場の人間関係」がマシに!
意外かもしれませんが、クリニックへ転職したら職場の人間関係からも開放されます。
後半パートの「クリニック転職でよくあるQ&A」で詳しく解説しているので、簡単に言うとマウント合戦や正義の押しつけがありません。
だから、病棟のようなギスギス、ドロドロした人間関係で悩むこともなし。
「ミス」しても気持ち的に楽
100%断言できます。
クリニックへ転職すれば、ミスというプレッシャーから開放されます。
というのも、
病棟の場合、看護師の仕事は命に直結するため、簡単なミスでも一歩間違えれば大変なことになりかねません。
小さなミスがインシデントやアクシデントなど大きな問題へ発展するので、常にミスをしないように考えてしまうのも当然です。
ただ、私たちはロボットではなく人間。
ミスする生き物なのに、ミスはしてはいけない。
これっておかしくないですか?
そりゃあ、ベテランになっても気が抜けないどころか、どんどん責任ある立場になり、ミスに厳しくなるってワケですね。
一方、クリニックでもインシデントは起こりますが、致命的でない分、気持ちが楽になります。
「委員会」がないクリニックが多い
基本的には、委員会がないクリニックが多いです。
休みの日や夜勤明けで、「休みを返上して」委員会に参加する必要がありません。
ただ、全くのゼロではなく、一部のクリニックでも委員会はあります。
委員会があるクリニックの特徴としては、大きなクリニック。
看護師のほかに、放射線技師、臨床技師といった職種が働いている場合は、委員会が発足されている可能性があります。
とはいえ、
クリニックへ転職すれば、委員会と同様の病棟会やチーム会、看護研究といった実務以外の時間外の労働から開放されるでしょう。
ドクターへの対応
クリニックでは「ドクターのご機嫌取り」をする必要がありません。
なぜなら、機嫌を取らなくても対応できるからです。
たしかに、病棟よりもクリニックのほうがドクターが身近だし、接する時間も増えます。
ですが、「依頼」することはなくなります。
例えば、「〇〇さんの処方が今日までなので出してもらえますか?」
病棟でよくある看護師とドクターの会話ですよね。
本来はドクターの仕事です。
ところが、
処方箋切れに気付かず、薬を飲ませなかった看護師のせいにされるため、ドクターの機嫌が悪くてもお願いしなくてはなりません。
ドクターに「依頼」しなくては仕事が回せないから、ドクターへの対応が一番気を遣って大変になるのです。
その点、クリニックでは、ドクターの指示のもと動くので、依頼することはありません。
もしドクターの機嫌が悪くても、スルーすれば乗り切れるってワケです。

経験浅い看護師は、コネを使ってクリニックへ転職しよう

結論を言ってしまえば、
コネがあるなら恥ずかしがらずに使いましょう。
というのも、
働きやすいクリニックほど人が辞めないし、コネの強い世界。
知人、友人がクリニックで働いているなら、コネを使わない手はありません。
それに紹介のほうが、詳しい内情が聞けるので失敗しにくいですよね。
「採血、注射さえできれば大丈夫だよ。」
友人にこう言ってもらえたら、あなたも安心なはず。
看護師転職サイトの「コネ」とは?
ただ、コネがない場合は、看護師転職サイトをフル活用しましょう。
その理由はずばり…コネを使うため。
「どういうこと?」と思った方も多いと思いますが、看護師転職サイトのコネがあるんです。
というのも、
看護師転職サイトは、病院の採用者と精通していて、中には濃密な信頼関係が築けている担当者もいます。
そんな担当者からの紹介って、いわば友人からの紹介のようなもの。
いや…仕事内容だけでなく、求められる看護師像まで把握しているので、友人以上だと思いませんか?
(信頼している)担当者がそんなに勧める看護師だったら、採用しようかな。
こんな風に採用時にプラスとなることも多いのです。
なぜ経験浅くても採用されるクリニックがわかる?
経験豊富な看護師しかとらないクリニックなのか。
それとも、経験浅い看護師でも採用してもらえるのか。
求人を見ただけでは判断できませんよね。
ところが、看護師転職サイトを利用すれば判断できるのです。
なぜだと思いますか?
看護師転職サイトの担当者は、「どんな人材がほしいのか」クリニックの要望を把握しています。
今は繁忙期だし、教える余裕なんてないから、一通りの業務をこなせる看護師がほしい。
転勤で退職する看護師の代わりで、育つまで居てくれる教える余裕はあるから、とにかく長く働いていくれる看護師がほしい。
こんな風に一つひとつの求人に対して「どんな看護師を求めているのか」を担当者は把握しているため、経験浅い看護師でもOKなクリニックを紹介してもらえるってワケ!
求人票だけでは判断できませんが、担当者が把握しているからこそ、簡単に探すことが可能になります。
看護師からの人気だけでなく、クリニックからの信頼も高い
上記3社に登録し、希望条件にあうクリニックを探しましょう。
担当者との相性もあるため、2〜3社に登録して比較しながら進めていくことが失敗しないコツです。
⇒もっと詳しく知りたい方は【こちら】
クリニック転職でよくあるQ&A

ここからはよくある質問に答えていきます。
Q.20代でクリニックって早すぎない?
実は…私も最初は、将来性やスキルなんかを考えたときに早いと思っていました。
でも実際は、全然問題なし!
スキルといっても、1年目で覚えるものだし、いざって時にはドクターがいるし、20代でも活躍できる場です。
ただ、クリニックは負け組とか脱落者のイメージを持っている人は一定数いるので、世間体を気にしちゃう人は辛いかも。
とはいえ、
クリニックは全国各地どこにでもあるし、働き方も選びやすいのでオススメです。
Q.お給料ってどれくらい?
クリニックによって給料は変わるけど、病棟のときよりも大幅にダウンは覚悟しておきましょう。
ちなみに私が働いていた呼吸器内科は手取りで28万円。
クリニックにしては高かったのですが、社保に未加入(法人化しておらず、従業員が5名以下)だったので「国民健康保険」と「国民年金」でした。
自費が高く、しかも将来的に年金額が少ないので、大きなデメリット。
給料も大事ですが、健康保険と厚生年金に加入できるかは必ず確認しておきましょう。
Q.有給って取れる?
小規模のクリニックの場合は、基本は取れないと思っておいたほうが◎。
ただ、クリニックや院長、スタッフによって変わります。
私が働いていた呼吸器内科は、有給を使ってもいい条件がありました。
その条件とは、繁忙期(9月〜12月)以外で、他の看護師が了承した場合のみ。
有給が使えるクリニックばいい場合は、看護師がいっぱいいる大きなクリニックを狙いましょう。
Q.残業はある?
予約制のクリニックを除いては、
残業があるクリニックは多いと思います。
なぜなら、
夕方からの患者さんが増えるからです。
学校や仕事帰りにクリニックへ行くので、17時すぎて18時頃がピーク。
ちゃんと残業代が出れば1時間くらいはOKって人も多いですが、サービス残業のクリニックも多いので注意が必要です。
ちなみに、
先ほど紹介した呼吸器内科クリニックですが、手取りで28万円と高いのは残業代が含まれています。
残業代が別途でているのではなく、もともと給料に「残業する」が想定されたもの。
計算したことはないですが、
たぶん年間の残業代を計算したら損していると思うんですよ。
ケチな院長だったので…。
もし残業がイヤな場合は、予約診療を行っているクリニックを選べばOKです。美容系や皮膚科などですね。
残業そのものがイヤではない場合は、ちゃんと残業代がでるクリニックを選びましょう。
Q.中抜けって何?
多くのクリニックは、午前と午後の診察の間が2時間以上あいていることがほとんど。
もし財布の中にクリニックの診察券があれば見てみてください。
午前は9時〜13時、午後は16時〜20時
こんな風に午前と午後までに時間がある場合、休憩時間となるため「中抜け」と呼んでいます。
中抜けの過ごし方は、人それぞれ。
昼寝をする人もいれば、自宅が近い人は家に帰る人もいます。
夕ご飯の買い出しやショッピングする人も。
私がよくしていた過ごし方は、遅めのゆっくりランチ。
同僚と仲良かったので、美味しいランチを食べてエネルギー補給して午後を乗り切っていましたよ。
Q.夜勤がないってどう?
体がむちゃくちゃ楽!
朝起きたときからズドーンと重たかったのがウソのように軽くなりました。
やっぱり規則正しい生活って大事で、夜勤って体に良くないんだなと実感。
Q.人間関係はどう?
病棟みたいなマウント合戦や正義の押しつけがない分、かなりマシだと思います。
ただ、病棟にずーーッと辞めないお局的な人がいると地獄です。
新人をいじめたり、平気でウソをついたり。
院長を巻き込んで追い出そうとするので厄介です。
Q.勉強ってどうしてる?
わからないことがあれば調べるくらいでOKなので、病棟ほど勉強に追われることはありません。
それに、勤務中に勉強することも可能です。
というのも、
患者さんが訪れるタイミングにはバラつきがあります。
次から次に訪れるくらい忙しい時間帯もあれば、1人も来ない時間帯もあるのです。
スタッフ同士、私語をする場合もありますが、基本的にはNGなので、私は「ねじ子の秘密主義」といったサクッと読める本で勉強していましたよ。
まとめ:経験浅い看護師でも、クリニックへの転職はオススメです
クリニックは、1年目で覚える簡単な看護技術さえマスターしていれば、経験浅い看護師でも活躍できる職場です。
全国どこにでもあって、働き方も選べる。
ゆるく看護師を続けていきたい看護師にはオススメです。
✓記事のポイントまとめ
- 経験浅い看護師でもクリニックに転職できます
- 主な仕事は、簡単な看護技術や雑用なので、3ヶ月くらいで慣れます
- 良いクリニックに転職する場合、友人や知人のコネが必須
- 看護師転職サイトのコネをフル活用しよう
こんな感じです。
「臨床経験が少ないのに、クリニックでちゃんと働けるのかな」と思うかもしれませんが、基本的に簡単な業務ばかり。
スキルといっても1年目で覚える看護技術だし、雑用がメイン。ルーティンワーク化されています。
新人看護師さんは、まだ変な癖が付いていなくて吸収が早いし、すぐ覚えれるはず。
それに、以下の看護師転職サイトを使えば、新人看護師を採用するクリニックを紹介してもらえます。
経験よりも人柄を優先するクリニックは「うちで育てていこう」と思ってくれているので、背伸びせずとも大丈夫です。