私は20代で転職を3回しており、すべて診療科目が異なる転職でした。
当然、未経験の分野ではスキルを引き継ぐことはできないので、常にスキルがない状態での転職です。
毎度の転職で私が話していたのは、3年目のときに作った「キャリアプラン」について。
どうやって経験を積んでキャリアを形成して、将来的にどんな看護師になりたいか。それを熱く語っていました。(恥ずかしい…笑)
20代の転職では、スキルがなくても転職はぜんぜん可能です。
というのも、ポテンシャルを買ってもらえるから、新人ナースでも転職ができます。
ただ、「新人だから…」「20代だから…」という理由で、必ずしもポテンシャルを買ってもらえるわけではありません。
経験やスキルがほとんどない新人ナースは、
今のところ経験が少ないですが、今後はこういう専門性を身につけていき、貴院で活躍していきたいと考えています!
こんなふうなキャリアプランの売り込みが説得力のある転職方法になるってわけです。
そこでこの記事では、転職したい新人ナースに向けて「キャリアプランを売りこむ作戦」について紹介していきます。
ありもしないスキルや経験をよく見せようと悩むより、アピール方法を変えるだけで採用率がアップ!効率よく転職活動していきましょう。
転職したいけどスキルがない…
「転職したいけど、3年は働いたほうがいいのかな…」
新人看護師の場合、転職したくてもスキルや経験がないことを懸念する人は多いでしょう。(関連記事:3年働いたほうがいい本当の意味)
転職になかなか踏み出せないのは、スキルや経験がないことによって転職成功の可能性が低く、自信が持てないことが要因です。
スキルがないのは当たり前
新人看護師は経験が少なくスキルがないのは当然です。
そもそも看護師資格をとって数ヶ月とか、数年しか経っていません。業務のさわり部分しかさせてもらっていない場合も多いはず。
病院側も、新人看護師がスキルを持っていないことは分かっています。
なぜだと思いますか?
その病院にいる新人看護師もあなたと同じだからです。
転職にあたってスキルがないことを気にする必要なんてないのです。
じゃあ、新人看護師は何を買ってもらえるのでしょうか?
冒頭でもチラッと言いましたが、
体力、熱意、ポテンシャルといった若いからこそ備えている要素。
ベテランにはない秘めた能力で、とくにポテンシャルへの期待は大きいのです。
20代はポテンシャル
ボテンシャルとは、「秘めた能力」のこと。
いわゆる第二新卒の転職ではポテンシャルを買ってもらうことになります。
要するに、採用する病院側は、あなたの将来性や可能性に投資するつもりがあるってわけですね。
とはいえ、
人材を採用したり、育てたりすることは、病院側にとってすごく大変でコストがかかるので、手当り次第採用できません。
だから、転職活動では、ポテンシャルがあることを病院側に感じ取ってもらう必要があるのです。
じゃあ、どうアピールすればポテンシャルを買ってもらえるのでしょうか?
その方法はとてもシンプル。
病院側にアピールすることは、次の3つです。
- やる気や熱意を見せる
- 長く働けることを退職理由と一緒に説明する
- キャリアプランがあれば説得力が増す
たったこれだけでOK。
まずは1つ目。
やる気や意欲、熱意は、みんな積極的にアピールできています。
とくに言うことはありませんね。
で、一番大事なのが2つ目です。
転職活動では、転職理由は必ず聞かれます。
なぜ聞くのだと思いますか?
同じ理由で辞めることにならないかを心配しているからです。
言い方は悪いですが、
病院側にとって転職希望者は、例えるなら前科一犯。
別に転職を悪いと言いたいわけではありません。私は前科三犯なので、何も言えません。笑
ただ、辞めたことある人は、また辞める可能性がある人という見方をされます。
病院側は、人員の採用にかなりの金額を払ってるので、せっかく採用したのにすぐ辞められると採算が合わないですよね。
採用した人にはできるだげ長く働いてもらいたいというのが病院側の望みです。
たとえ現職への不平不満があったとしても、退職理由にすべきではありません。そこで用意して置かなければならないのがキャリアプランです。
こういうキャリアプランを持っているが、現職では実現できる環境ではなかった。貴院ではキャリアプランを実現できるので、長く働ける。
こんな感じの筋書きにするだけで説得力がドッと増します。
スキルなし新人看護師の転職
スキルなし新人看護師が転職する場合、以下の流れで採用を勝ち取ります。
- キャリアプランを作る
- 転職先にキャリアプランを売り込む
- ポテンシャルを買ってもらい採用を勝ち取る
キャリアプランを描けていない人は、早めにキャリアプランを作ったほうがいいでしょう。
というのも、ポテンシャルを買ってもらうためにはキャリアプランは必要不可欠だからです。
たとえば、面接で、経験やスキルが業務レベルに達していないと見抜かれた場合。
面接官が「今後どうしていきたいと思っていますか?」と聞いてくれることがあります。
このときに、ちゃんとキャリアプランを持っていて
今後はこういう専門性を身に着けながら、この分野のプロフェッシャルな看護師になっていきたいです!
と言えれば、ポテンシャルを買ってもらうことができますよね?
それともう1つ。
念頭に置いておかなければならないのは、病院側は「また辞められることを恐れている」ということです。
キャリアプランに沿って働き続けていくことができるという筋書きが必要であり、キャリアプランがその証明となるってわけ!
新人看護師が転職成功するには、説得力があるキャリアプランの売り込みが欠かせません。
「キャリアプラン」が思いつかない人へ
キャリアプランが思いつかないとき、次の2通りの悩みに分けられます。
- 将来的に身につけたい専門的能力が思いつかない
- 身につけたい専門的能力は分かっているがキャリアパス(道筋)が思いつかない
そもそも身につけたい専門的能力が思いつかない場合は、今までの経歴・経験をそのまま延ばして専門的能力にする道筋をキャリアプランにすると良いでしょう。
たとえば、現職の診療科目なんかはおすすめ。
私の場合、新卒で入った病院の配属先が内分泌内科&眼科の混合病棟だったので、次の転職先は眼科を選びました。
いまの仕事が好きなら、専門能力を身につけるキャリアパスを描いてみると良いでしょう。
一方、身につけたい専門的能力が分かっているがキャリアパスが思いつかない場合は、その道の専門的能力を活かして働いている人に相談するのが適切です。
相談する相手がいないときは、SNSやWebを使って質問してみれば、親切な人が教えてくれます。
看護師転職サイト(エージェント)のアドバイザーなら、親身に相談に乗ってくれるでしょう。
とくに経験豊富なアドバイザーは、知識と実績が兼ね備わっています。失敗も成功もいろんな看護師を見てきているので、最強の相談相手かもしれません。
それにキャリアプランの相談だけでなく、求人紹介や履歴書添削、日程調整など転職活動のサポートまでしてくれます。
しかも最後まで無料で。
合わないと思えばそこでスパッと切ることも可能です。
むしろ使わない手はないでしょう。
まとめ
転職とキャリアプランは一体であることが理想的です。
転職したいときにキャリアプランを持っていないと、転職先を条件(給料や待遇)だけで選ぶことになります。
しかし、転職活動の軸になるのはキャリアプランです。
面接で転職理由を聞かれたときに、キャリアプランを言えば説得力がグンと増します。
現職を辞める動機を「キャリアプランを実行できる環境ではなかった」と説明でき、転職先の動機を「キャリアプランを実行できそうなのが貴院だと判断した」と説明できるからです。
このように退職と転職の動機を一本につなげて説明できるのが「キャリアプラン」ってわけですね。
とはいえ、働いて数ヶ月、数年の新人看護師にとってキャリアプランを描くことは難しいかもしれません。
日々の業務をこなしたり、覚えたりするだけで必死。
将来を思い描くよりも、今を生きることで精一杯という人も多いでしょう。
もっとも簡単なのは、いままでの経歴の延長線上にある専門的能力までのキャリアパス(道筋)を描くことです。
もしキャリアを転向して新たな職業に挑戦したい場合は、すでにそれを実現している人に聞くのが的確です。
身近に聞ける人がいないときは、SNSやWebを使って質問してみたり、看護師転職サイトに相談してみましょう。