つわりがきつい…
電車に乗れそうにない…
仕事にならない、休みたい…
「つわりで仕事を休んでもいいの?」と悩む看護師さんは非常に多いですよね。
看護師の職場はどこも人手不足で、当日欠勤は他スタッフに迷惑や負担をかけてしまいます。
私も妊娠中、「仕事休みたいけど休めない」という葛藤、何度もありました。(出勤ギリギリまで悩んでいました)
そこでこの記事では、「つわりで仕事を休む基準」と「休みすぎて気まずいときの対処法」を丁寧に解説していきます。
- どんな症状があれば、つわりで休んでいい?
- つわりで休むときに医師の診断は必要?
- つわり休暇について詳しく知りたい
このような看護師さんは、ぜひ続きをお読みくださいね。
先輩ママナースたちはつわりで仕事をどれくらい休んだのか気になる方も多いと思います。
しかし、つわりは個人差があるし、妊娠する度に症状も違います。人と比べられるものではありません。
「妊娠しなければよかった…」そんな悲しい感情を抱かず、堂々と赤ちゃんとあなたを最優先の行動をとってくださいね。
妊娠中の看護師さん必見!仕事を休むべき「つわりの症状」
厚生労働省によると、全妊婦の50〜80%に悪心、嘔吐が認められます。
「つわりは病気じゃない」とよく言われますが、以下のような症状がある場合は仕事を休むべきです。
上記に1つでも該当したら休みましょう。
食べれなくて脱水や栄養失調が重症化している場合は、入院や点滴が必要な場合もあります。
万が一治療が遅れると、胎児死亡や母体死亡なども考えられるので、少しでも「つわりにしては重症すぎる」と感じたら担当医に相談しましょう。
妊娠悪阻の合併症として、意識障害や脳の後遺症が生じる場合もあるので、ムリせずゆっくり休んでくださいね。
つわりで仕事を休んでもいいの?
つわりの感じ方は人それぞれ。
「つわりは病気ではない」という意識から、仕事を休むことを躊躇う看護師さんもいるかもしれません。
しかし、つわりがあまりにも辛い場合は、仕事を休むことも検討しましょう。
男女雇用機会均等法に基づき、つわりの症状が重く、医師から仕事を休むように指導があった場合は、仕事を休むことが可能だと定められています。
ムリして仕事に行き、つわりが悪化したり、切迫流産となる人も少なくありません。
つわりの症状が酷い一方、仕事が忙しく休めなかったという友人がいる。「仕事出来そうか?」とお声がけ頂けたが、迷惑をかけてはいけないと思い仕事を続けて悪化したとの事。悪心や嘔吐に加えて、体重減少や脱水などを伴う妊娠悪阻には心身の安静と休養が重要で、社会の十分な理解が非常に重要だと思う
— 産婦人科医とみー (@obgyntommy) November 9, 2021
妊娠してた友達が、つわり酷く20wで切迫流産となり、予定日2ヶ月前に入院した。入院するまでは休みながら仕事行ってたみたいだから、恐らく働き過ぎ…
妊娠して気づいたけど、医療職とか動き回る系の仕事の人は、規定の産前休暇じゃ足りないよね😇
予定日の6w前からってムリありすぎて…— kiki☺︎@3y (@kiki18669346) December 23, 2019
そもそも、つわりが重い状態は、「妊娠悪阻」といって病気です。
ようするに、
つわりがひどいときは、高熱で仕事を休むのと同じで、休む必要があるってことですね。
つわりはいつまで続く?
つわりは、妊娠5週ごろから始まり、妊娠8〜10週頃がピーク。そして妊娠16週ごろまでに終わるのが一般的です。
ただし、つわりの時期や症状の程度は個人差が大きく、10週くらいで終わる人もいれば、出産ギリギリまで続く人も。
なかには妊娠中まったくつわりを感じない人もいます。(本当に羨ましい…)
週数だけでみるとあっという間に感じるつわり期間ですが、当事者にとってつわり期間は地獄そのものですね。
どれくらいの期間、休むべき?
繰り返しになりますが、つわりの症状は個人差があります。
しかも、つわりの辛さを示すスケールがないので、どれくらいの期間休むべきかは一概に言えません。
ただ、ここで一番大切なことは、すべての働く妊婦に「つわり休暇」を取得する権利があるってこと!
「うちの病院にはつわり休暇はない…」と思い込んでいる方もいるかもしれませんが、医師や助産師の指導があれば、すべての働く妊婦がつわりで休むことができます。
つわりが辛すぎるなら相談してみましょう。
つわりで仕事を休みたいけど、周りに迷惑をかけてしまうのが怖くて休めない
つわりで仕事を休みたいのに、上司や先輩、同僚に迷惑をかけてしまうことが怖くて休めないという看護師さんは多いはず。
責任感が強くて「ちゃんと仕事をしたい」「他の人に迷惑かけたくない」と思っているあなただからこそ、葛藤があるし、罪悪感もある。
でも、つわりで仕事を休んでもズル休みでもないし、甘えでもありません。
むしろ罪悪感や葛藤があるのは、今まであなたが頑張ってきたあかし。
頑張っていなければ罪悪感なんて生まれません。
つわりが辛すぎるときは、仕事を休んでいいんですよ。
繰り返しになりますが、すべての働く妊婦に「つわり休暇」を取得する権利があります。
そもそも上司も病院も、もしものことがあっても責任はとってくれません。
実際に私は、1人目の妊娠中にマタハラに遭い、退職した苦くてつらい経験があります。
だから2人目の妊娠中、とにかく周りの目ばかり気にしてムリしてしまい、仕事中に意識がなくなり倒れてしまったことがありました。
幸いにも…
お腹の赤ちゃんも私自身も無事でしたが、自分の体や心、そして赤ちゃんのためにもムリをして働くべきではなかった。
そのときになってようやく気づくことができました。
仕事の代わりは、他の人に頼むことができます。
でも、お腹の赤ちゃんとあなたの身体を守ることができるのは、あなただけです。
それに仕事を休むことで人手が足りなくて回らないという状況になってしまったとしてもあなた1人の責任ではなく、病院側の問題。
何が言いたいかというと、
体調が悪いときは周りよりもあなた自身の身体と赤ちゃんのことを優先しほしいですね。
つわり休暇の取得は「母性健康管理指導事項連絡カード」を活用しよう
つわり休暇の取得に便利なのが、「母性健康管理指導事項連絡カード」。診断書に代わる正式な証明書類です。
医師や保健師や「つわり休暇」が必要と判断すればカードに明記してもらえます。
このカードを職場に提出すれば、記入された措置内容を無視することはできません。
- つわりの大変さが職場の人に伝わっていない
- 業務内容を配慮してもらえない
このような場合、母子健康管理指導事項連絡カードを活用しましょう。
診断書に代わる正式書類ってことは、別途費用がかかるんだよね?
いくらぐらい?
発行費用に関しては病院によって異なるけど、2,000円前後。
診断書は3,000〜5,000円くらいなので、診断書を書いてもらうよりも安く済むよ。
母性健康管理指導事項連絡カードはどこでもらう?
母性健康管理指導事項連絡カードは、ネットで手軽に記入用紙をダウンロードすることも可能です。
しかし、自治体によっては母子手帳に添付されていることもあるので、まずは自分の持っている母子手帳を確認してみよう。
病院やクリニックに置いていない場合は、下記のリンクからダウンロードして持参しても大丈夫ですよ。
つわり休暇で傷病手当金がもらえる?
有給休暇にも日数の限りがあるため、傷病手当金が貰えれば嬉しいですよね。
妊娠中につわりで病院を休んだ場合、条件を満たせば傷病手当をもらうことができます。
ちなみに、傷病手当金は、正社員だけではありません。
労働時間など条件を満たして、健康保険に加入することばできれば、派遣社員やパート、アルバイトであっても商業手当金の対象となります。
パートやアルバイトだと、つわりの症状がひどいと辞めないといけないと思ってしまいがち。
条件を満たしていて傷病手当金の申請ができるかもしれないので、妊娠したら必ず雇用条件を確認しましょう。
ただし、傷病手当金の申請には、「医師の診断書」が必須です。
「つわり休暇」は、診断書の代わりに「母性健康管理指導事項連絡カード」でもOKでしたが、傷病手当金の申請は診断書一択!
病院によって発行費用は異なりますが、
- 母性健康管理指導事項連絡カード:2千円前後
- 診断書:3千〜5千円前後
もしもの「つわり休暇」に備えておきたい方は、はじめから「診断書」をもらっておくと安心ですね。
傷病手当金は申請をしたら、だいたい1~2か月後にお金が振り込まれます。
傷病手当金の支給期間は、以下のとおり↓
- 病院を連続で3日間休んだあとの、4日目から病院を休んだ日数分
- 最長の支給期間は1年6ヶ月
商業手当金の計算方法は、
標準報酬月額(社会保険料を引いた給料)÷30日×2/3=1日あたりの傷病手当
⇒傷病手当金の申請方法は【こちら】
つわりで仕事を休みすぎて気まずいときの対処法
「つわりで仕事を休みすぎたかも…」というときは、どのような対処をすればいいのでしょうか。
乗り切るコツを紹介します。
母子健康管理指導事項連絡カードを提出
休みすぎて職場の人の反応が心配なら、つわり休暇の申請には「母子健康管理指導事項連絡カード」を活用しましょう。
「母子健康管理指導事項連絡カード」は診断書の代わりになる正式な書類。
医師などが判断したものなので、誰も文句は言えませんよね。
つわりは病気じゃないと言われるし、個人差も大きいため、「本当につわりなの?」とか「サボっているだけ」と思われがち。
そう思われないためにも、「母子健康管理指導事項連絡カード」を提出しましょう。
休み明けには、全員に感謝の気持ちを伝える
つわりで休むのは女性労働者の権利ですが、「当然の権利!」という態度では周囲の理解は得られません。
休み明けには菓子折りなどを持参し、全スタッフ一人ひとりに感謝の気持ちを伝えましょう。
どんな顔で出勤すればいいんだろう…とドキドキしますが、感謝&詫びの品ひとつで雰囲気が和みますよ。
あなたが休んだことで、他のチームにしわ寄せがきている可能性があります。
あなたが休んだせいで「大変だった…」「忙しかった…」と思っていても、わざわざ口に出す方は少ないです。(お局様は聞こえるように言うけど…笑)
「ご迷惑おかけしました。お休みをいただいたおかげで、つわりが少しマシになりました。ありがとうございました。休憩室にお菓子を置いているので、あとで食べてくださいね。」
こんなふうにあなたから声をかけることが大切。
働きながら安心、安全に妊娠を継続させるためには、職場の理解と協力が不可欠だからです。
つわりの大変さを理解していないから、「休みすぎ」などと言うのです。
それにあなたの体調を心配していた場合も声をかけるタイミングって難しいもの。
先に声をかけてもらえると「大丈夫?ムリしないでね」と声をかけやすくなり、あなた自身も「応援してくれるスタッフがいる」と心強く感じるはずです。
どうしても休むことに罪悪感を感じてしまう方は【こちらの記事】もチェックしてみてくださいね。
【まとめ】周囲に理解を求めて、ムリせずにつわりの時期を乗り切ろう
つわりは妊娠中によくある症状であり、看護師の方も例外ではありません。
つわりの症状が出ている場合、無理をせずに仕事を休むことが大切です。
妊娠中の健康管理は重要であり、つわり休暇の取得には「母性健康管理指導事項連絡カード」を活用しましょう。
周囲に気を使ってしまう気持ちもわかりますが、あなたの健康や赤ちゃんの安全を優先することが重要ですね。
無理せずに適切な休息をとり、つわりの時期を乗り切りましょう。
角が立たない「夜勤免除の伝え方」が知りたい方は、引き続き以下の記事を読んでくださいね。
【追伸】復帰に不安がある看護師さんへ
「復職後の職場環境や人間関係が心配で不安だ…」そんな声を聞くことがあります。
そんな看護師さんには、今のうちから転職を視野に入れた行動を進めることをおすすめします。
出産育児は予期せぬトラブルも多いもの。
職場の協力がなければ、復帰は難しいものになるでしょう。
だからこそ、今のうちから転職を視野に入れた行動を進めておくことをおすすめします。
職場環境や人間関係はめちゃくちゃ大切なポイント!
子育てと仕事の両立がスムーズにいくかどうかも影響します。自分に合った職場を選ぶことで、負担を軽減できるかもしれません。
あなたの幸せと家族の幸福を考えながら、将来の働き方を見つけてください。自分らしく充実した日々を送れるよう、応援しています。